電子メールで不愉快な思いをしない(させない)5つの方法

screen-capture.png

私たちは毎日たくさんの電子メールを処理しています。しかし、時には「何を伝えたいのか、何をして欲しいのか」がわかりにくいために、重要な連絡事項がうまく伝わらないことがあります。電子メールで延々と議論をしたり、的外れな質問と回答がすれ違ったりして、人間関係の摩擦を生むこともあります。

1. 私たちは、自分にとって都合の悪い内容がメールに書かれていると、送信者の気持ちをネガティブな方に深読みしがちです。送信者にそのつもりが無くても、受信者が落ち込んだり、怒ったりすることがあるのです。電子メールを書くとき、読むとき、「他人の気持ちの読み過ぎ」には気をつける必要があります。

2. 言いにくい内容こそ、相手の反応を見ながら口頭で伝えるようにします。メールよりも電話で、電話よりも直接会って話しましょう。相手の反応を見ながらコミュニケーションできるので誤解が少なく、問題解決に向けた議論をその場で行うこともできます。「DESC法」を用いて問題を整理し、アサーティブな対応を心がけましょう。

3. 決定事項を伝達するとき、伝えたいこと・相手にお願いしたいことを明解に書きます。遠回しな表現、曖昧な表現は避けて、要件を簡潔にまとめましょう。前置きの後に結論を書くのではなく、先に結論を書いてから前置きを書きます。タイトルは具体的でわかりやすいものにします。相手にお願いするアクションがある場合には、締め切りも含めて、きちんと明記します。

4. 相手の状況や仕事を思いやった一言を添えます。あまりに事務的なメールは、かえって相手を不安にさせることがあります。例えば、部下からの報告書を受け取ったときに「受け取りました」とだけ返信するより、「ご苦労さま。受け取りました。今週は出張が続くので移動中に目を通します。コメントは来週の火曜日まで待ってください」と返したほうが部下は安心します。

5. 相手がそれを何度も読み直したり、聞き返したり、不安になったり腹を立てたりするコストを考えてみましょう。電子メールを使えば、どんな遠くへも瞬時に情報を送信できます。情報発信のコストが低いせいで、ついつい気軽に、パッと書いてパッと送信しがちです。けれども、送信者がちょっぴり惜しんだ、その何倍もの時間が無駄になっているかもしれません。

要件や相手にあわせてやり方を上手に選ぶことが、コミュニケーションの「時間的なコスト」「精神的なコスト」を下げ、職場の良好な人間関係や、心身の健康を維持することにつながります。

分かりやすくしようと努力しないと分かりやすくならない

昨日の話の続きですが、分かりやすい、分かりにくいの例として、こんな体験もありました。
 

■ ひとつだけチェックしてください

社内で行う健康調査のために、イントラネットを使ったWEB アンケートを開発してもらいました。先日、お披露目が行われたのですが、会議室のスクリーンにはこんな画面が表示されました。

説明担当者は、チェックボックスをいくつもクリックして、最後に「送信」ボタンを押しました。

すると、警告音とともに、このようなメッセージが表示されたのです。担当者は顔色ひとつ変えず「複数の項目をチェックした場合は、このようなエラーメッセージが表示されます」と、何くわぬ顔でデモを続けています。

■ あれ? この画面、変じゃないか?

僕はこの説明をうけて「あれ? この画面、変じゃないか!?」と思ったのです。確かに、画面には「ひとつだけチェックしてください」と書かれています。しかし、よほど注意深い人でない限り、初めてこのアンケートに参加する人 (つまり社員全員) は、エラーメッセージのお叱りを受けることになりそうです。

(1)「ひとつだけ」なのに複数選択できる

ソフトウェアの部品には、複数の項目を選べる「チェックボックス」と、ひとつしか項目を選べない「ラジオボタン」があります。この画面ではラジオボタンを使うべきです。そうすれば、エラーメッセージを用意する必要もありません。

(2) 説明が多すぎる

ひとつは、説明の文章が多すぎることです。この画面でもっとも伝えなければいけないのは「項目をひとつだけ選択してほしい」ということですが、いろいろ書いているうちに目立たなくなってしまいました。

■ ちょっと気をつければ改善できる

これなら説明も分かりやすく、ラジオボタンを使っているので複数の項目を選んでしまうこともありません。選択肢の内容をもっと整理すれば、さらに回答しやすくなるでしょう。

■ 分かりやすくしようと努力しないと分かりやすくならない

お披露目会のしょっぱなからこれですから、あとは想像通り、分かりにくい説明、分かりにくい画面、標準的でない操作方法のオンパレード。「分かりやすさに対する配慮」がまったく不足したシステムでした。このソフトを作るために、半年の期間と、200 万円を超える費用がかかったと聞いて、愕然としてしまいました。

分かりやすくしようとして分かりにくくなった張り紙

 最近、『分かりやすい表現の技術』 (藤沢晃治、講談社ブルーバックス) という本を読みました。地下鉄やデパートの道案内などの「分かりにくい表示」や「分かりにくい文章」について、なぜ分かりにくいのか、分かりやすくするにはどうすればよいのか、実例を交えながら解説されています。

 先日、この本に書かれているような「分かりにくい表示」のおかげで、僕を含めた多くの社員が右往左往することがありました。

■ 面談会場は会議室 B です

 都内のあるビルで健康診断後の全社員面談をしていたときのこと。会議室Bを借りていたのですが、部屋を間違える人が多く、なかなか時間通りに進みません。気になって廊下に出てみると、下のような張り紙がありました。


会議室Bで面談をしているのに……。

 なっ! 会議室Bで面談をしているのに、案内には間違ってAと書かれており、しかも順路はBを指しているという、とても分かりにくい案内になっています。

■ 訂正された張り紙

 午後になると、担当者が案内を作り直してくれました。しかし、あいかわらず部屋を間違える人が多く、気になって見に行きました。


AなんだかBなんだか

 ななっ! 説明や順路は正しいのですが、色わけを間違えているせいで、これまたAなんだかBなんだかわからない説明になってしまいました。これでは、部屋を間違えるのも無理はありません。