こころの健康と経営戦略フォーラム(大阪)に参加

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たまには遠出をしてリラックスしようと、22日に大阪国際会議場で行われた「こころの健康と経営戦略フォーラム」に参加してきました。このフォーラムは関西福祉大学のEAP研究所が主催しており、今回のテーマは「メンタルヘルス対策による個人と組織の活性化」でした。

「病気の社員への対応だけではなく、職場の活性化や生産性にも注目していこう」という「ポジティブなメンタルヘルス活動」が提唱されはじめてから数年がたちます。その間、少しずつ理論が整理され、私たち実務担当者にも理解しやすい具体的な活動事例もそろってきました。

シンポジウムでは、人事コンサルタント、人事担当者、産業医、心理職など、それぞれの立場から実践的なお話がありました。ちょうど「組織のコミュニケーションの活性化」「管理監督者向け教育」「一般従業員向け研修」について思索していたので、参考になりました。特に印象に残ったことをいくつか箇条書きにしてみます。

  • 企業のメンタルヘルス対策は、段階的に、計画的に、優先順位を付けて進める。一般的には、病気の早期発見と早期対応(二次予防)、復職支援(三次予防)をしっかりやってから、メンタルヘルス不調の発生予防や組織の活性化などの活動(一次予防)に発展させるのがよい。
  • 経営陣を説得するには、ありのままのデータを率直に報告して問題点を指摘すること、変化の時期には予想されるメンタルヘルス上のリスクをきちんと伝えること。専門職として会社に貢献したいという熱意を伝えることも大事。
  • ポジティブなメンタルヘルスの取り組みのキーワードは「ワークエンゲイジメント」(仕事にやりがいをもって取り組んでおり、仕事からも活力を得て、仕事も仕事以外も、活き活きとしている状態)。
  • ワークエンゲイジメントを高めて組織を活性化するには、職場内の「資源」を増やすための教育研修活動や職場環境改善活動などが有効。
  • ワークエンゲイジメントを高めるための研修には、問題解決スキル、コミュニケーションスキル、ネガティブな感情への対処スキルなど、一般のビジネススキルに通ずる内容が多い。

今回のフォーラムには、もったいなくてしまい込んでいた頂き物のMOLESKINEのノートを持っていきました。MOLESKINというのは2000円近くする高級ノートです。確かに使いやすいのですが、その価格に見合うだけの内容にできるかどうか、ペンを取るたびに緊張しますね。

MOLESKINEのメモは、MindManagerというソフトウェアを使ってマインドマップに整理します。内容を公開するのは少し差し障りがあるのですが、巨大なマインドマップにうまく情報を整理できたのがうれしかったので、サムネイル画像のみ掲載しておきます。

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給与で社員のモチベーションは上がらない!?

今回と次回は「組織心理学」をテーマにお送りします。なぜ企業の健康管理部門が組織心理学を取り上げるのだろうかと、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。実は、メンタルヘルスの問題と組織心理学とは深い関わりがあるのです。
 

なぜ健康管理と組織心理学が関係するのか

企業の健康管理活動は、「病気でなければよい」という従来の早期発見・早期治療の考え方から、「もっと元気に」という予防や健康増進の考え方へシフトしています。

一方、企業にとって、生産性を高めることは常に重要な課題でした。時代背景に応じて、年功制や職能制度、最近の成果主義など、さまざまな施策が導入されてきました。

突きつめると、メンタルヘルスと生産性は表裏一体の関係にあります。それを説明してくれるのが、組織心理学における「ワーク・モチベーション」(働く動機付け)という分野です。

つまり幸運にも、社員の健康を考える健康管理部門の関心と、生産性を高めたいと考える企業の関心とが、ここにきて一致したというわけです。

社員のモチベーションを高めるものは何か

組織心理学の最大の関心は、何が社員のやる気や生産性を上げるのか明らかにすることです。そのため、モチベーションに関するさまざまな理論が検証され、発展してきました。

例えば、給与や賃金などは上がった時よりも下がった時のインパクトがずっと強いことが知られています(動機付け・衛生要因理論)。経済的な報酬でモチベーションを高めるという制度はそれほど効果的な施策ではないのです。人件費に限りがあることを考えれば、実は極めて危険であるとも言えるでしょう。

部下のモチベーションを高めるマネジメント

社員のモチベーションを高めるのは、金銭的な報酬よりも、評価や承認などの「心理的報酬」です。おおざっぱではありますが、モチベーション理論のいくつかをマネジメント手法にあてはめると、次のようなヒントが得られます。

  • 「部下の目標をよく聞き出した上で仕事を割り振る」(期待理論)
  • 「自分と比較する相手をうまく選ばせる」(公正理論)
  • 「ポリシーは上から、アイディアは下から」(Control-Demandモデル)
  • 「2~3回に1回ほめる」(公正理論、努力報酬不均衡モデル)

いずれも上司と部下のコミュニケーションが基盤となっています。傾聴法やコーチングの重要性が再確認できます。

モチベーションに最も影響を与える「組織公平性」

モチベーションに影響を与える因子はいくつもあり、複雑に絡み合っています。その中で何が最も重要なのか、日米の多数の企業を対象に研究が行われました。

その結果、「組織公平性」という尺度が、あらゆる要素に強い影響を及ぼし、従業員のメンタルヘルスと生産性を高めていることが明らかになったのです。

次回は、昨年度の社内調査の結果をレビューしながら、組織公平性について説明を加え、組織公平性を高めるマネジメントの工夫などを紹介したいと思います。

参考

ELECTRIC DOC. – ウチの会社は公平な組織か!?

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。