運動ギライの産業医、スポーツクラブへ行く (後編)

運動ギライの産業医(僕のことです)のスポーツクラブ体験記の続きです。前回、筋トレのマシンの使い方の説明を受けた後、次に教わったのは有酸素運動のやり方。ベルトの上を歩いたり走ったりする「トレッドミル」と、自転車をこぐ「エアロバイク」の使い方を教えてもらいました。
 

■有酸素運動と運動負荷

有酸素運動とは、脂肪を効率的に燃やすための「軽い」運動のことです。運動が強すぎると無酸素運動になってしまい、むしろ体力アップや持久力アップを目的とした運動になります。運動強度はペダルの重さや回転数などで調節しますが、その時の目安にするのが心拍数と自覚的運動強度です。

運動時の目標心拍数は (220-年齢-安静時心拍数) × 運動強度(%) + 安静時心拍数 という式で計算します。体脂肪を燃やすための有酸素運動の強度は60~70%(運動初心者は50~60%がいいそうです)。試しに僕の目標心拍数を計算してみると (220-31-60) × 0.6~0.7 + 60 で、約137~150となりました。

心拍数をいつも計るのは大変なので、感覚的な「運動のきつさ」を目安にする方法もあります。ダイエットには「楽~ややきつい」と感じる程度がいいそうです。「笑顔を浮かべることができる程度」、「何とか会話ができる程度」ともいわれています。

実際に運動してみると「楽~ややきつい」と感じるペースでは心拍数は140前後でしたが、ゼエゼエと苦しくなった時は150以上になっており、自覚的運動強度と心拍数はよく一致していました。運動強度をうまく調節すれば、無駄にしんどい思いをせず、なるべく楽に結果を出せるというわけですね。

■スポーツクラブへの偏見と誤解

(1) しんどい、疲れる、つらい

スポーツクラブで運動した後はグッタリ疲れ果ててしまうのかと思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。自転車を30分こいでも、5分ほどクールダウンすればすっかり元気になります。マシンを利用した筋トレも、1セットの回数が少なく、また重さも調整できるため、初心者でも自分にあった効果的なトレーニングが行えます。

ただし、筋トレをすると筋肉痛が起こることがあります。筋トレは「トレーニングで筋肉繊維を壊し、修復しながら大きく育てる」という理屈なので、筋肉痛は効果的なトレーニングの証拠みたいなものです。ただし、痛みが軽くなるまでは、その部位のトレーニングを休んだ方がよいそうです。

(2) 近寄りがたい

スポーツクラブには筋肉ムキムキの人ばかりが集まっているのではないか、あるいは運動不足の人ばかりが集まっているのではないかと心配していましたが、まったくの取り越し苦労でした。太っている人、ムキムキな人、スリムな人、老若男女いろんな人が、みんな「体を動かそう」という共通の目的を持って集まっています。スポーツクラブに足を向けるのはおっくうですが、いったん入り口をくぐると、自然とやる気が出てきますね。

(3) 屋内の運動は味気ない

確かに、青空の下でのサイクリングや、緑いっぱいの林道でのハイキングと比べると、屋内で行う運動は単純で味気ないものです。しかし天候や時間に左右されず、交通事故にあう心配もありません。何といっても「行った道を引き返さなくてもよい」というのは、根性なしの面倒くさがり屋にとっては魅力的です。最小の努力で最大の効果が出るように運動を調節できるのもいいですね。

■最後に

勢いで入会したスポーツクラブ、筋肉痛になりながらも今までに4回通いました。そうそう、筋肉痛からの回復を早め、筋トレの効果を高めるには「高タンパク、低脂肪、低炭水化物」な食事がよいそうです。自炊の真似事まで始めてみました。いつまで続くかはわかりませんが、ここに書いたからには、がんばって続けたいと思います。

僕と同じように「スポーツクラブって、ちょっとアレだよなぁ」と思っている人の参考になれば幸いです。

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。

運動ギライの産業医、スポーツクラブへ行く (前編)

突然ですが、僕は運動が好きではありません。スポーツも苦手です。どちらかというとインドア派で、のんびり過ごすのが大好き。お金を払ってまでスポーツクラブに通うなんて、どうしても理解できません。時間もかかるし。面倒くさいし。わざわざ「運動不足です」とアピールしているようで、恥ずかしいじゃないですか。
 

スポーツクラブに行った理由

そんな僕が、このたびスポーツクラブに入会することになりました。その理由は主にふたつ。ひとつは、ダイエットが行きづまっていること。実は今年の2月から「体重を1日2回記録する。外食のご飯を半分残す。」というダイエットをしています。毎月1kgのペースでマイナス5kgの減量に成功したのですが、最近は標準体重まであと2~3kgというところで停滞ししているんです。

もうひとつは、社員面談のネタ作り。社員と面談をしていると、スポーツクラブへ通っているという社員がたくさんいます。産業医として仕事をしている手前、生活習慣病の改善や予防のための運動療法について知らないわけにもいきませんし、ここはひとつ体験してみるしかない! と決意したわけです。

さて、どこに通おうか

その気になってネットを検索してみると、あるわあるわ、ものすごい数のスポーツクラブが見つかります。自宅や職場からの距離、営業時間、メニューの内容、費用、施設の広さなどが比較のポイント。

健康保険組合と法人契約している施設では、いろいろな割引を受けられたり、1日単位で利用できたりするところがあります。利用にあたっては申請書や利用券、社員証や保険証が必要な場合もあります。詳しくはそれぞれの健保組合のサイトなどで調べてみて下さい。

 ☆ 当社の健保組合が契約している施設一覧
   http://自分の会社の健保組合のサイトを調べてみてね!
 ☆ 利用申込書などの手続きについて (厚生施設の利用手続き)
   http://自分の会社の福利厚生施設の利用法をみてね!

いざ入会手続き

いろいろと検討した結果、健保組合の補助はありませんが、「入会金無料キャンペーン」につられて、自宅近くのスポーツクラブに参加することにしました。

思い立ったが吉日、さっそく入会手続きに出かけました。それにしても、手続きの面倒なこと! ここでつまずくと意欲が一気に萎えてしまうので、必要な書類など、ちゃんと確認していくことが大事ですね。

「最初の月は会費が無料なので、8月から始めるとお得ですよ」と言われましたが、迷わず「今日からお願いします」と申し込みをすませました。何はともあれ、これで、スポーツクラブの会員になることには成功したわけです。

運動に必要なものは、Tシャツ、短パン、シューズ、タオルなど。お風呂に入ったあとの着替えもあったほうがいいでしょう。その日はシューズとタオルをうっかり忘れていたので、レンタルのものを利用しました。

スポーツクラブ初体験

いよいよスポーツクラブ初体験。最初はインストラクターの方と一緒に身体計測を行います。これまでのダイエットの成果か体重と体脂肪率はいずれも標準範囲内。ところが筋肉量は少なめ。今後の課題は体脂肪を落としつつ筋肉量をアップすることです。それが「太りにくい体」につながるんだそうです。

次に、超初心者向けのトレーニングメニューを組んでもらい、筋トレに使うマシンの説明を受けました。背筋や胸筋、大腿部の筋肉など、大きな筋肉から鍛えると効果が現れやすいそうです。

筋トレというと同じ運動を何十回もするのかと思ったら、たった10回でいいそうです。ただし、10回ギリギリできるかできないかという重さで行うこと、正しいフォームを守ってゆっくり動かすことがポイント。自分の筋力にあわせてマシンの負荷を調整できるので、筋力が弱い人でも効果的にトレーニングできるというわけ。

ところが、マシンで負荷を調整できない運動もあります。腹筋を鍛える「クランチ」というトレーニングを教わったのですが、これが、もう、全然だめ。足の力や勢いを使わず、腹筋の力だけを使うようにするのですが、頭を少し持ち上げるだけで精一杯。「最初はこんなものです」とインストラクターは言ってましたが、ちゃんとできるようになるのかなぁ。

今度は有酸素運動に挑戦

このあと、トレッドミルやエアロバイクなど、有酸素運動について教えてもらいました。「機械の上でグルグル走るだなんて、ハツカネズミじゃあるまいし!!」と思っていたのですが……長くなりましたので、次回に続きます。

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。