職場復帰のトラブルを避ける基礎知識:うつ状態の回復の5つのステップ

あちこちの企業の担当者に話を聞くと、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援でもっとも難しいのは「復帰のタイミング」だと言います。特に、体調が十分に回復していないうちに復帰したがる社員への対応に苦慮しているそうです。

こうしたトラブルの背景には、メンタルヘルス不調の回復の過程や、職場復帰のタイミングについて、本人と関係者の認識が統一されていないという問題があります。

うつ状態の回復の5つのステップ

うつ状態をともなう休業事例では、一般的に次のような5つの段階を経て回復します。

第1段階:会社を休みはじめた直後、一時的に不眠などの症状が悪化することがあります。仕事は大丈夫だろうか、みんなに申し訳ない、本当に治るのかと不安がつのるためです。この時期は数日間から数週間続きます。

第2段階:本格的に休息できるようになると、一日中寝てばかりになることがあります。ごろごろと横になって過ごし、ほとんど起きられません。この時期は2週間から1ヶ月程度続くようです。

screen-capture.png

第3段階:起き上がって身の回りのことができるようになります。好きなことを少しだけやってみようという気持ちも出てきます。買い物や散歩など、少しだけ外出もできます。この期間は1〜2ヶ月続きます。

第4段階:家の中の生活が安定し、さらに多く外出できるようになります。ただし、人の多い場所や、電車に乗ったりすると疲れてしまうようです。この期間も1〜2ヶ月続きます。

第5段階:起床時間や就寝時間など生活のリズムが整い、通勤を模した外出が安定してできるようになります。集中力や判断力が回復し、復職のことを落ち着いて考えられるようになれば、職場復帰の準備が整います。休職開始からここまで、一般的には3〜4ヶ月かかりますが、1年以上かかる事例もあります。

復職開始のタイミングはそれぞれの会社の制度によって異なる

しかし、第5段階まで回復しても、それぞれの会社の制度の違いによって、復職を開始するタイミングは異なります。

A社では「半日勤務からスタートする最大3ヶ月間のリハビリ出社」の制度があります。休業開始から3〜4ヶ月で復帰するケースが多いようです。

B社では「コアタイムからスタートし、2週間で終了するリハビリ出社」の制度があります。A社よりもハードルが高いため、4〜5ヶ月かけてしっかり体調を整えてから復帰するケースが多いようです。

C社ではフルタイム未満の復職を認めていません。そのため、図書館などを利用した自主的な復職訓練や、専門の機関を利用した出社訓練を休業中に行っています。こうなると出社まで6ヶ月程度かかるそうです。

回復を支援する休業中の面談のやりかた

職場復帰をスムーズに進めるためには、自社の復職制度をよく理解した上で、本人にタイミングよく説明し、不安を取り除くことが大切です。そのためには「休職開始時から復職後まで、月1回程度、産業保健スタッフと本人が面談を行う」という方法が有効です。

面談では、自宅での過ごし方や回復の状態を本人と一緒に確認します。また、主治医や家族とどんな話をしているのか教えてもらいます。体調の変化や気持ちの変化、復帰への不安について話をしながら、次の段階に進むための工夫や注意点について考えていきます。病状が安定してきたら、調子を崩す要因や、調子を回復させる要因についても話をしていきます。

こうした面談を続けることで、本人の回復の段階を確認しながら、休業中の不安を軽減し、復帰のタイミングについて適切なイメージを持ってもらうことができます。また、発症の背景や原因について時間をかけて話をすることで、職場復帰時の環境調整や、再発防止のための貴重な情報が得られます。さらに、面談の結果を人事や職場にフィードバックすることで、職場復帰にむけた関係者の認識を統一することができるのです。

いきいきした職場を作るために必要な4つの取り組み

MPj04089590000[1].jpg

職場のメンタルヘルス不調にはさまざまな背景があります。社員の皆さんと話しをしていると、次のような悩みをよくうかがいます。

  • 仕事が忙しく、いつも追われている感じがする。緊急に対応を求められることも多い。自分のペースで仕事ができない。
  • 仕事で困ったときに、自力で解決しないといけないと思いこみ、なかなか相談できない。
  • この仕事はこう進めるべきだと考えるあまり、そうでない状況や相手とうまく折り合えない。
  • こんなことを言うと相手の気分を害するに違いないと思いこみ、うまくコミュニケーションできない。

1. ビジネススキルを学ぶことがセルフケアにつながる

こうしたストレスにうまく対処するには、仕事の段取りや見通しのつけ方、話しの聴き方、話し方、予定の立て方など、一般的なビジネススキルや問題解決スキルを学ぶこと効果的だといわれています。

2. 管理監督者は部下のセルフケアを支援する

管理監督者には、こうした部下のセルフケアを支援する役割が期待されています。厳しい指摘や批判だけではなく、「積極的傾聴」の態度で話を聴き、支援的な態度で部下の成長を引き出す、コーチング的なアプローチが有効です。

3. 全員参加型の職場改善活動を推進する

また管理監督者には、職場環境の改善活動を推進することも求められます。最近では、従業員でグループワークを行う全員参加型の職場改善活動の方法が開発され、業務の効率アップや職場ストレスの改善に成果を上げています。職場と産業保健スタッフが協力して取り組んでいる企業もあります。

4. 帰属意識の高い、活力のある組織 = 健康に働ける組織

ひとりひとりの問題解決能力を高め、職場の改善活動に全員で取り組むことが、「元気な職場づくり」「働きがいのある職場づくり」につながります。それが、ひいてはメンタルヘルス不調の予防にも結びつくのです。

メンタルヘルス不調の早期発見と早期対応のコツ

前回の記事では、職場で見られるメンタルヘルス不調について、半年~1年以上の長期にわたって業務パフォーマンスが低下すること、スムーズな職場復帰のためには職場での対応や専門スタッフによるフォローアップが欠かせないことなどを述べました。

メンタルヘルス不調の影響を最小限におさえるには、早期発見と早期対応が大切です。今回は、自分自身や部下の体調のチェックポイントや、いつもと違う様子の変化に気付いたときの対処法を解説します。

■早期発見のキーワードは「いつもと違う」

メンタルヘルス不調に気付くための重要なキーワードは「いつもと違う」です。いつもと違う変化の背景には、メンタルヘルス不調が隠れていることがあるからです。

◇いつもと違う自分

まず、自分自身の体調に注意するポイントを説明します。メンタルヘルス不調でよく見られる「うつ状態」では、次のような変化が現れます。

こうした症状が2週間以上も続くような時は、産業医などの社内の窓口や医療機関に相談しましょう。仕事に影響を与えそうな時は、上司に状況を伝えておきましょう。

◇いつもと違う部下

部下の「いつもと違う体調の変化」は、 (1)遅刻や欠勤といった勤怠の変化、(2)業務パフォーマンスの変化、(3)行動や様子の変化として現れます。

◇「いつもと違う部下」に気付いたら声をかけて話を聴く

いつもと様子の違う部下に気づいたら「いつもと様子が違うけれど、どうしたの?」と声をかけて話を聴いてみましょう。「背景に病気がありそうだ」、あるいは「病気があるかどうかよくわからない」と感じたときには、産業医や保健師など企業内の担当者に相談します。

このように、(1)いつもと違う様子の部下に気付いたら、(2)声をかけて話を聞き、(3)病気の可能性があれば産業医につなぐ、という手順を踏むことが、メンタルヘルス不調の早期発見・早期対応につながります。

◇相談窓口の整備と周知、社員への教育も重要

メンタルヘルスに関わる相談窓口を整備することも大切です。相談窓口としては、産業医や保健師など社内資源のほかに、社外の医療機関や支援機関を利用する方法もあります。体制作りには「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(厚生労働省)も参考になります。地域産業保健センターなどに相談してもよいでしょう。

相談体制が整備できたら、社員に対するメンタルヘルス教育を継続して行い、相談窓口の利用法、相談窓口との連携方法などを周知しましょう。メンタルヘルス不調に対する正しい知識を持ち、適切に対応できる職場風土を作ることが重要です。

■「いつもと違う」部下、3つの事例

◇事例1:仕事上のトラブルが原因で寝不足になったAさん

部下のAさんは27歳、入社3年目の男性社員です。仕事熱心でがんばり屋です。しかし最近、どうも元気がない様子。仕事の報告も遅れ気味で、上司であるあなたから催促しないと出てこないこともあります。

「どうしたの? 大丈夫?」と一度は声をかけてみたものの「少し夏バテで……すみません」と、あまり話してくれません。それ以上は深追いせずにしばらく様子を見ることにしました。

2週間たっても、Aさんの調子は変わりません。再びあなたが声をかけたところ、仕事がうまくいっておらず、この仕事に向いていないのではと悩んでいると打ち明けられました。

話を聴いたあなたは、仕事のことはアドバイスをしようと思いましたが、体調のことは産業医と相談するようAさんに話しました。産業医面談の結果、健康管理室でしばらく体調をフォローするが、業務については通常に対応してよいということになりました。

その後Aさんは病院で治療を受け、不眠や気分の落ち込みは徐々に改善していきました。仕事に関しても、上司のフォローやアドバイスのおかげで、以前のような順調なペースに戻り、少しずつ自信を取り戻すことができました。

◇事例2: 家族が病気になり、疲れがたまっているBさん

部下のBさんは32歳、優秀なチームリーダーです。しかし最近、顔色が悪く、仕事中もぼんやりしている様子が目に付きます。上司であるあなたが話を聞いてみると、郷里の母親が病気で入院してしまい、母親の見舞いと父親の世話をするために、週末ごとに実家に帰っているそうです。平日も遅くまで仕事をしており、週末も実家との往復で全く休めず、疲れがたまっているとのことでした。

ちょうどBさんには、新しいプロジェクトをまかせようと思っていたのですが、この体調では心配です。あなたは部長にも相談し、まずは産業医の意見を聞くことにしました。

産業医面談の結果、このまま無理を続けると体調が悪化する懸念があるため、問題が落ち着くまでは残業が続かないよう調整が必要であるという意見でした。また、不眠の治療のため病院に行くようすすめられました。職場で話し合いを行った結果、新しいプロジェクトではBさんの負担が大きくならないような体制を取ることにしました。

◇事例3: ときどき休みがちになるCさん

新しく部下になったCさんは、ときどき急に休むことがあります。以前から精神科にかかっているという話も聞いたこともあります。上司であるあなたはCさんに注意をしようと思い、まずは本人に話を聞いてみることにしました。

すると本人から、以前からうつ病の治療をしていること、体調が悪いときにはときどき休んでしまうという話がありました。あなたは、休みを取るときは早めに連絡が欲しいこと、業務の調整が必要であれば早めに相談して欲しいことをCさんに伝えました。さらに、健康面についてどのように配慮すればよいのか産業医面談を受けるよう勧めました。

産業医面談の結果、病気の治療は今後も続けなければならず、体調の日々の変化には注意が必要だが、特別な就業制限は不要という返事でした。そこで、業務の進捗や体調について本人とよく話をするようにし、その中で適宜調整を行なうことで、チーム全体の業務が円滑にすすむよう工夫しました。

■ 気づく・声をかける・つなぐ

今回は、メンタルヘルス不調の早期発見のために、「いつもと違う様子」に気付いて「声をかけて」話を聞くというやり方を紹介しました。これはメンタルヘルス不調に限ったことではなく、日常のマネジメントでも活用できる基本的な手法です。

本人に話を聞いて、背景に病気の存在がありそうだ、あるいは、病気があるかどうかわからないと思ったときは、すみやかに産業医などに相談しましょう。上司だけで対応しているうちに問題が深刻になることもあります。現場のエキスパートである上司と、健康管理のエキスパートである産業医とが、早期に連携することが重要です。

次回の記事では、メンタルヘルス不調の発生を予防する職場改善について、その考え方と進め方をご紹介します。

メンタルヘルス不調の特徴と職場での対応

現在、日本の多くの職場ではストレスフルな状況が続いています。身体の病気に比べて、メンタルヘルス不調は回復までの期間が長いため、現場での対応に戸惑うことも少なくありません。今回から次の3つのテーマで「職場のメンタルヘルス対策」を取り上げます。

第1回目 : メンタルヘルス不調の特徴と職場での対応
第2回目 : メンタルヘルス不調の早期発見と早期対応のコツ
第3回目 : メンタルヘルス不調の予防のための職場環境改善

メンタルヘルス不調はパフォーマンスが長期に低下する

一般的に、病気やけがをすると業務遂行能力が一時的に低下します。パフォーマンスが回復するまでの期間は病気によって異なります。例えばカゼやインフルエンザなどの場合は、数日から1週間くらいです。入院が必要な場合、例えば足の骨折や胃がんなどの例では、2~3ヶ月ほどかかるケースが多いようです。

メンタルヘルス不調ではどうでしょうか。例えばうつ病の場合、自宅休養に約3ヶ月、元通りに仕事ができるまでさらに6~9ヶ月かかります。メンタルヘルス不調ではパフォーマンスが長期に低下するのです。

うつ病は「電池切れ」の状態。休息と薬でしっかり充電。

うつ病は早期の発見と適切な治療によって回復する病気です。しかし、対応を誤ったり、対応が遅れたりすると症状が悪化することもあります。

うつ病とは、簡単に言うと「電池が切れた状態」になることです。「生きるためのエネルギーが低下(枯渇)した状態」とも言われます。意欲や活力の低下、食欲の低下、不眠などの症状のほか、頭痛やめまい、肩こり、胃痛などを伴うこともあります。

職場でよく見られる症状は「集中力や判断力がなくなり、仕事が手につかなくなる」ことです。「こんな自分が情けない」「会社に対して申し訳ない」と、ますます落ち込むこともあります。

うつ病の治療は「休息」と「薬」です。空になった電池を外して、しっかりと充電します。十分に充電するには長い時間がかかります。職場復帰を急ぎすぎたり、仕事のペースを上げすぎたりすると、すぐに電池が切れて、症状がぶり返してしまいます。

Aさんの事例

職場でメンタルヘルスの問題が起きたとき、職場でどのように対応すればよいのでしょうか。営業部門に勤めるAさんのケースを見てみましょう。

2005年6月、初回面談

Aさんが初めて産業医面談に訪れたのは、ある年の6月中旬のことでした。面談室に入ってきたAさんは、かなり疲れている様子で、表情もぱっとしません。

「3月ごろから、すごく疲れるようになったんです。少し休めば良くなると思っていたんですが、5月ごろからだんだんひどくなって……」
「身体がだるく、ひどい頭痛が続いたので、病院でいろいろと検査をしてもらったのですが、特に異常はないと言われて……」
「夜もなかなか寝られないんです。寝不足のせいか、最近は集中力が続かなくて……」
「上司に大丈夫かと聞かれたので、体調のことを話したら、産業医面談を受けるように言われて……」
「最近は仕事がほとんど手に付かない状態です。本当に自分が情けなくて……会社に申し訳なくて……」

小さな声を絞り出すように話していたAさんは、そこで黙り込んでしまい、ポロポロと涙をこぼしはじめました。

Aさんの話を聞いた後、上司にも同席してもらいました。「うつ状態になっており、治療が必要なこと」「会社に来ても仕事ができる状態ではないので、しばらく休みを取る必要があること」を説明して、今後の対応について相談をしました。

2005年6月~9月、自宅療養

数日後、病院を受診したAさんから「うつ病」という診断書が届き、間もなくAさんは病気休養に入ることになりました。その後も月に1度は産業医面談を行い、回復の様子を確認したり、自宅での過ごし方についてアドバイスしたりしました。奥様にも来社してもらい、一緒にお話をうかがいました。

2005年10月~2006年3月、職場復帰

3ヶ月ほど休業した後、Aさんは出社できそうな状態にまで回復しました。上司や人事と調整を行い、Aさんは10月から職場に戻ることになりました。最初は半日勤務からスタートし、徐々に勤務時間を延長しながら、1ヶ月ほどかけてフルタイム勤務に戻ります。また、負荷の調整がしやすい業務についてもらい、残業時間も制限するなど、職場での配慮も続けました。毎月の産業医面談では、体調や仕事内容の確認、病気に影響したストレス要因の振り返りなどを続けました。

2006年4月~9月、業務パフォーマンスの回復

翌年4月、Aさんはすっかり元気になり、新年度からは以前と同じ業務に復帰しました。しばらく3ヶ月おきに産業医面談を続けていましたが、体調が安定してきたため9月で終了しました。今後は主治医の指示のもと、薬の量を少しずつ減らしていくとのことです。

職場と専門スタッフによる継続支援が復帰のカギ

Aさんの場合、回復までに1年近くかかりましたが、うつ病のサインに上司が早めに気づき、職場での調整と専門スタッフによる継続的なフォローもあって、スムーズに職場復帰ができました。

現在、Aさんはすっかり元気になり、以前と同じように営業の現場でがんばっています。次回は、メンタルヘルス不調を早めに見つけ、早期に対応するためのコツをご紹介します。

職場のメンタルヘルス対策について発表しました

presen_shokuba_mh.jpg

8月〜9月と、社外の勉強会で「職場のメンタルヘルス対策」についてお話をさせていただきました。ふだん考えていることを、人前で発表できるようにまとめたりプレゼンしたりすることはあまり無いので、このような機会をいただきとても感謝しています(いつか来る本番に備えたよい練習になります ^^;)。

さて、今回は「職場のメンタルヘルス事例の問題点」「病気と業務パフォーマンスの低下」「うつ病の症状と治療」「早期発見と早期対応のコツ」「メンタルヘルス不調を予防するための職場改善」「職場のストレス要因」「特にコミュニケーションの重要性」について、グループワークを交えながら説明してきました。グループワークでは活発に意見交換が行われ、事例への対応や職場改善の取り組みなど、たくさんのヒントが得られました。

しかし、こうした集合研修では一般論を中心に説明が進んでいくため、「実際に職場で困っている複雑な事例」に対する適切な答えを得るのは難しいようです。回復を妨げる要因、回復を促す要因、職場で困っていること、本人が困っていること、職場で工夫して欲しいこと、今後の見通しなど、それぞれの事例ですべて異なります。本人、上司、人事、産業医などの関係者が、個別のケースごとに話し合いを持つことが必要だと思います。

このような機会を与えてくださった事務局の皆さんと、グループワークで活発に議論していただいた参加者の皆さんに、改めてお礼を申し上げます。

参加者の感想(アンケートより)

  • 職場復帰してきた部下への対応に悩んでいます。グループワークでは、さまざまな職場の話を聞けて参考になりました。
  • パフォーマンスの低い部下がいて対応に悩んでいました。今までは、忙しさにかまけて、対話を避けていたように思います。少しずつ本人と話をしていこうと感じました。
  • 教育の現場では、組織のマネジメントがうまく行われているとは言えず、メンタルヘルスの問題も多いようです。どうすれば改善できるのか、参加者から色々なお話をきけて参考になりました。
  • 今まで自分が取り組んできたことの再確認ができました。常にうまく対応できているわけではありませんが、方向性が間違っていなかったと知って、自分自身のモチベーションにもつながりました。

「職場の相互支援」を促す職場改善のアイディア(実習より)

  • 部下と2週間に1度、定期的に個別に面談をする。
  • 定期的に5分間の昼礼を行い、ひとりずつ順番にミニスピーチをさせる。
  • 直属の上司だけでなく、その上の上司やメンターなど、たくさんの相談相手・相談経路を作っておく。
  • パーティションを下げる。お互いの顔が見えるレイアウトにする。
  • プロジェクトの合宿や、合同の研修などを行う。
  • 同僚の仕事の状況をふだんから共有しておき、有休を計画的に取れるよう調整しやすくする。

質疑応答(実習、アンケートより)

Q: うつ病の治療には、お薬による治療と、心理療法やカウンセリングによる治療があると聞きました。それぞれどのような効き目があり、どのような事例で効果的なのですか。

A: 病院で行われている専門的な心理療法については詳しくないのでお答えできませんが、「休息」と「薬」の2本立ての治療は、まずたいていの事例に効き目があります。しかし、それだけではすっきり治らないこともあります。その場合には、本人の仕事に対する考え方、仕事の進め方、他者とのコミュニケーションのやり方など、回復を妨げている要因は何かを探り、その解決にむけて本人の気づきや変化を促すカウンセリング的なアプローチが必要です。

Q: うつ病の発症について、会社の責任と、個人の責任と、どう考えればよいのでしょうか。

A: 家庭の要因だけが原因でうつ病になるケースもありますが、職場や家庭のいくつかの出来事が重なって調子を崩すケースも多く、一概には言えません。また、ストレスの多い職場環境があったとしても、病気になる人とならない人がおり、発病には個人的な要因が大いに関係しています。ただし、会社が適切な対応をとっていない場合には、安全配慮義務違反を問われます。

Q: 病気になると業務パフォーマンスが落ちるというのは理解できましたが、職場での配慮をどのくらいの期間続ければよいのでしょうか。また、病気を理由に退職するケースもありますが、どのように考えればよいのですか。

A: そもそも雇用とは「労働を提供する代わりに賃金をもらう」という労働契約の上に成り立ちます。労働を提供できなくなれば契約を終了するわけです。しかし、病気になった途端に契約を打ち切るのではなく、治療のため一定の猶予期間を与えることになっています(期間は会社によっても異なります)。猶予期間を過ぎても体調が回復せず、業務パフォーマンスが雇用の最低ラインを下回る場合には、労働契約の打ち切りということもあり得ます。