カゼとインフルエンザを予防する最新手洗い法

毎年11月〜4月はインフルエンザのシーズンです。カゼやインフルエンザのウィルスは、咳やくしゃみと一緒に飛び散り、机の上やドアノブ、つり革などに付着します。そういった場所をさわった手で、目や鼻や口にふれると、ウィルスが体内に侵入する原因になります。

毎度同じことの繰り返しになりますが、カゼやインフルエンザの予防には手洗いがとても有効です。ところが、ふつうに手を洗うだけでは、指先と爪の間、指と指の間、手のしわなどに汚れが残っています。ウィルスを十分に洗い落とすには少々コツが必要です。

洗面所に貼って使えるスーパー手洗い法

そこで、カゼ・インフルエンザを予防できる効果的な手洗い法についての資料を作りました。印刷した後、半分のサイズに切って、ぜひ職場や家庭の洗面所に貼り付けてご利用ください。


★インフルエンザ予防のための手洗い(PDF形式 1.2MB)

帰宅時、調理の前後、飲食の前には必ず「きちんと」手を洗いましょう。目や鼻をさわるときには、清潔なティッシュペーパーを使うようにしましょう。

参考記事
カゼとインフルエンザの見分け方は?
2005年・インフルエンザのガイドライン
2005年風邪対策のトレンドは「水うがい」

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。

カゼとインフルエンザの見分け方は?

カゼとインフルエンザの見分け方は? 流行の予想がはずれると予防接種の効き目はない? などインフルエンザに関する素朴な疑問にお答えします。
 

前回の記事ではインフルエンザの対処法について、以下のガイドラインをお示ししました。最も大切なことは周囲にうつさないことです。

 ◎ 突然38~40度の高熱が出たら、出社せず病院へ行く
 ◎ その時、最も感染性が高い
 ◎ インフルエンザだと診断されたら、そのまま家に帰る
 ◎ 解熱するまで出社しない
 ◎ 予防接種は12月上旬に受けておくとよい(3500円前後)

インフルエンザ質問箱

その後、社員の方からいくつかご質問をいただきましたので、お答えします。

Q1: 流行の予想がはずれると予防接種の効果は無いの?
A1: 大丈夫。予防接種は現在流行しているすべてのタイプに効きます

現在流行しているインフルエンザは、A香港型、Aソ連型、B型の3つです。年によって流行の時期やタイプが少しずつ違いますが、予防接種は3種類すべてに効くように作られています。しかし、鳥インフルエンザのような全くの新型のウィルスには効果がありません。

Q2: カゼとインフルエンザの見分け方は?
A2: インフルエンザの特徴は突然の高熱、筋肉痛や関節痛などの全身症状

カゼの場合、発熱は37~38度の微熱程度で、鼻水やのどのイガイガなど症状も局所的です。インフルエンザは、突然38度~40度の高熱が出ることや、関節痛・筋肉痛・倦怠感など全身の症状が強いことが特徴的です。

友人にインフルエンザをうつされた話

学生のころ、化学の実習試験に無理して出てきた友人に、インフルエンザをうつされたことがあります。1月の寒い日、出席番号が隣で、仲のよかった友人が、赤い顔をして登校してきました。熱もあるらしく、隣の席でゴホゴホとかなりつらそうです。化学実習は夕方だったので、ほぼ一日中いっしょだったことになります。

それから3日後、突然39度の高熱が出て、ひじや背中が痛みはじめました。かかりつけの内科の先生に診てもらったところ、「インフルエンザだね。4日ほど前に近くで調子悪そうにしていた人はいなかった?」と聞かれました。「いた! いました!!」と告発したところで、「やっばりね」と言われただけだったのですが、結局それから1週間も寝込んでしまいました。

まあ、学生だったので、1週間寝込もうが、周囲にうつそうが、自分たち以外の誰にも迷惑をかけるわけでもなかったのですが、これが会社だといろいろ大変なことになりそうです。これからの季節、うがい、手洗い、加湿、保温など、カゼ予防にはぜひ注意してください。

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。

2005年・インフルエンザのガイドライン

2005年: インフルエンザのガイドライン
◎ 突然38~40度の高熱が出たら、出社せず病院へ行く
◎ その時、最も感染性が高い
◎ インフルエンザだと診断されたら、そのまま家に帰る
◎ 解熱するまで出社しない
 

インフルエンザの予防法

インフルエンザの主な感染経路は、空気中に浮遊するウィルスを吸い込む飛沫感染と、手などに付着したウィルスが口に入る経口感染の2つです。そのため「うがい」と「手洗い」、「空気の入れ換え」が重要になります。ウィルスは湿気に弱く、部屋の加湿も有効です。マスクをつけると気道粘膜の乾燥を予防できます。疲れている時は感染しやすいため、人混みを避けるようにしましょう。

もちろん予防接種も効果的です。現在のワクチンはAソ連型・A香港型・B型の3種類のインフルエンザすべてに効果があるように作られています。接種を受けると、かかりにくくなり、かかった時も重症化を防げます。中和抗体ができるのは2~4週間後なので、12月中旬までに接種しておきましょう。費用は全額自己負担で約3200~3800円です。

突然38~40度の高熱が!! もしかしてインフルエンザ?

突然38~40度の高熱が出るなど、インフルエンザを思わせる症状が出た時は「出社せずに、すぐに病院に行く」ことが重要です。この時期はウィルスの増殖が盛んで、最も周囲にうつしやすいからです。タミフルなどの抗ウィルス薬は、この時期(発症後48時間以内)に飲まないと効果がありません。15分ほどでインフルエンザの診断ができる迅速検査キットも普及しています。もしインフルエンザだと診断されたら、決して出社せず、そのまま帰宅して下さい。

家に帰ったら、水分をしっかり飲んで、暖かくして寝ていましょう。家庭内での感染を予防するため、家族全員の手洗いとうがいを徹底しましょう。念のため、手を拭くタオルを別々にします。さらに部屋の加湿や空気の入れ換えをして、ウィルスを家の中から追い出すようにするといいでしょう。

インフルエンザは一般の風邪と比べて症状が重く、1週間は寝込んでしまいます。最大のポイントは「他の人にうつさないこと」です。発症して3~7日後までは感染性が高いと言われています。ちなみに学校保健法では「解熱して2日を経過するまで出席停止」と定められています。

次の新型ウィルスの登場はいつ?

インフルエンザウィルスはA型、B型、C型の3つに大別されます。A型インフルエンザウィルスは、H1~15、N1~9の組合せによってさらに細かく分けられます。例えばA香港型ウィルスはH3N2で、Aソ連型はH1N1です。

ウィルスは常に突然変異を繰り返しているため、全く新型のウィルスが登場することもあります。1918年にはスペイン型、1957年にはアジア型と呼ばれる新型が流行しました。現在の香港型は1968年、ソ連型は1977年に登場したものです。新型ウィルスに対する免疫を持つ人は誰もいませんし、既存のワクチンの効果もありません。そのため、多くの犠牲者を出しています。

最近注目を集めているのは、鳥インフルエンザと呼ばれるH5N1型ウィルスです。以前は鳥から人間への感染力はないとされていましたが、1997年以来、年に十数名の感染例が報告されています。もしも人間同士で感染する新型ウィルスが登場すると、世界的な大流行が起こると懸念されています。

◆関連
ELECTRIC DOC. – カゼとインフルエンザの見分け方は?

◆参考
2005年風邪対策のトレンドは「水うがい」
日本医師会 インフルエンザQ&A (平成16年度版)

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。

2005年風邪対策のトレンドは「水うがい」

先週ひどい風邪をひいてしまいました。風邪予防の3本柱は「加湿・洗浄・免疫力」。加湿器やマスクを使って気道粘膜の乾燥を防ぎ、手洗いとガラガラうがいでウィルスを洗い流すことがポイントです。
 

外はますます寒くなり、風邪の季節もこれからが本番です。風邪を予防するにはどうしたらいいのか、風邪を早く治すにはどうしたらいいのか、最新の研究結果を交えながらお話しします。

風邪とはどんな病気?

風邪とは「鼻やのどの粘膜にウィルスが感染して炎症を起こす病気」の総称です。炎症の起きた場所によっていろいろな症状が起こります。

  鼻の症状: 鼻水、鼻づまり、くしゃみ
  のどの症状: のどのイガイガや痛み、せき、たん
  全身症状 : 微熱、全身倦怠感
  胃腸症状: 腹痛や下痢

ウィルスが感染してから風邪の症状が出るまでの潜伏期間は5~6日です。風邪の症状は2~5日続きますが、少しずつ軽くなり、1週間もすれば完治します。

風邪を予防するには?

風邪の予防には、ウィルスが体に侵入しないようにすることが一番です。特にこの季節は気道の粘膜が乾燥するため、ウィルスが体内に侵入しやすくなります。疲労や栄養の偏り、体温の低下などは、免疫力を落とし、ウィルスの感染や増殖を招きます。

気道粘膜や手を清潔に保ち、ウィルスの侵入を防ぐために、手洗いとガラガラうがいを励行しましょう。1日3回、水でガラガラうがいをすると、風邪の発症率が26%から17%に低下したという研究結果があります。

室温や温度も重要です。加湿器やマスクなどを使い、のどの粘膜の乾燥を防ぐようにしましょう。湿度50~70%が目安です。体を冷やさないよう服装や室温にも気をつけましょう。

風邪のひきはじめの対処法は?

のどの違和感や鼻のむずむずなど「風邪をひいたかな?」と感じた時期に十分なケアをすることで、ウィルスの増殖を抑えることができます。

うがい、マスク、加湿器などで気道粘膜の乾燥を防ぎ、炎症の広がりを抑えましょう。ビタミンが豊富で消化によい食事をして、安静にしてゆっくり休養をとることも大切です。どうしても休めないときには、栄養ドリンクなどを飲むのもよいでしょう。

風邪をひいてしまったときは?

風邪をひいてしまったときは安静と休養が何よりも必要です。部屋を暖かくして、乾燥にも注意しましょう。水分とビタミンCの補給も大切です。うがいをすると炎症の広がりを予防できます。

湯冷めするとますます体力を消耗するため、熱があるときの入浴は控えましょう。熱がないときは入浴してもかまいません。あらかじめ部屋を暖めておき、ぬれた髪はすぐに完全に乾かすなど、入浴後に体を冷やさないようにしましょう。

風邪薬を上手に選ぶ

風邪薬は「風邪を治す」薬ではなく、風邪の症状を和らげるものです。症状にあわせてうまく薬を使えば、つらい症状を和らげることができます。薬局で買える市販薬と病院で処方される処方薬の成分に大差はありません。

  症状が2つ以上あるとき: 総合感冒薬
  のどの症状: うがい薬、トローチ、のどスプレー
  鼻の症状: 鼻水用の鼻炎カプセル、点鼻薬
  せき・たん: せき止めシロップなど
  食欲不振: 栄養補助食品など
  発熱・頭痛: 解熱鎮痛薬

薬を飲むとかえって治りにくくなる?

風邪をひいたときに熱が出るのは、ウィルスを排除する免疫の働きです。解熱鎮痛薬で初期のつらい症状は緩和されても、風邪の治りは遅くなるといわれています。

抗生物質は細菌に効く薬です。風邪の原因となっているウィルスには全く効果がありません。風邪の80~90%はウィルスが原因です。一般的に、抗生物質を風邪の治療に用いることはありません。

参考
- 風邪の予防には水でうがいを 京大研究 (京都新聞)
- ドクターQ&A 風邪の予防と対策 (self doctor)

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。