今度はリアルでお引っ越し

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先日はブログをお引っ越ししたばかりですが、今度は転勤のためリアルでお引っ越しすることが決まりました。4月からはソフトウェアとハードウェアの開発部門を担当します。

ソフトウェアやハードウェアの開発というと、僕のあこがれの「モノ作り」や「コンピュータ関係」の職場なわけです。どんな場所で、どんな人が、どんな風に働いているのかなあ、仲良くやっていけるかなあと、楽しみでわくわくしています。

ただし、これまで関わってきた大阪地区や本社地区から離れてしまうのは残念です。やっと社員のみなさんに顔を覚えてもらったところだし、健康管理室のスタッフの人たちともなじんできたところだし、これから部門や組織へ色々と働きかけて行こうと思っていたところだし、中途半端な感じがぬぐえません。

でもまあ、産業医になってまだ3年目ですし、いろんな職場を経験することはレベルアップの絶好のチャンス。せっかく作ったVDTタイマーを社内展開していきたいし、職場巡視データベースも使ってもらいたいし、健康管理の体制づくりにも関わっていきたいしと、夢は広がります。

けれども、引っ越しっていうと何かと手続きが面倒なので、しばらく疲れそうです。部屋の中の荷物を外付けHDDか何かにぜんぶバックアップして、そのまま持って行ければいいのになー。住所とか電気とか電話も、コントロールパネルのプロパティ画面から切り替えできればいいのになー。引っ越しシーズンのまっただ中、今日は引っ越し先を決めてきました。

チームを運営できる産業医に、なりたいなぁ~

最近ずっと、社内の産業保健プロジェクトの企画書を書いていました。

プロジェクトといっても大した内容ではありません。「禁煙に関するポスターを作成して、毎月社内に掲示しよう」というだけのことです。やろうと思えば、明日からでも、僕ひとりだけで始められます。しかし、それでは「単なる思いつきの行動」と何ら変わりませんし、チームとしての活動にも発展しません。
 
「企画、提案、プレゼン、会議の運営、チームの立ち上げ、プロジェクトの運営」……。ふつうの会社員は当たり前に行っていることですが、以前の記事に書いたように、僕にとってはどれも初めて。本を買ったり、上司や同僚に相談したり、友人にアドバイスをもらったり、苦労の連続です。

産業保健活動の「効果」は10年後?

例えば、販売促進の企画であれば、その最終的な目標は、見込み客の増加、新規顧客の獲得、優良顧客へのサービスなどを通じて「会社の利益を増やすこと」です。

産業保健企画の最終ゴールは「社員の健康という企業の根幹資源の管理に貢献すること」です。社員の健康度アップ、と言えば少しわかりやすくなります。しかし、売上げアップやコストダウンなどと比べると、成果を数字で示すのが難しく、効果が出るまで時間もかかります。

「禁煙のポスターを掲示する」という今回の活動の最終目標は「肺ガンの減少」ですが、その結果が出るまでは10年以上かかるでしょう。そもそも、ポスターの掲示だけでは「禁煙する」という行動には直接つながりません。せいぜい「禁煙への関心度アップ」が妥当です。これを数字で示すには、前後でアンケート調査などを行う必要があります。

事業主、社員、チーム、それぞれのメリットは?

産業保健企画の「顧客」は、サービスを受ける社員と、社員を雇用する事業主です。それぞれ立場によって、活動への期待は異なります。また、産業保健チームにもいろいろな考えの持ち主がいます。「禁煙のポスターを掲示すること」のメリットは何か、事業主、たばこを吸う社員、吸わない社員、産業医、保健師、衛生管理者、それぞれに説明できなければいけません。

東に社長がいれば「肺ガンの死亡者が減ります。受動喫煙対策は法律でも定められています。喫煙問題は社内でも関心度が高く、改善すれば社員の満足度が向上します。」とアピールし、

西に喫煙者がいれば「たばこをやめれば病気になりませんよ。どうせ吸うなら、いい環境の喫煙室で吸いましょう。必要なら禁煙のお手伝いをします。」と言い、

南にたばこを吸わない社員がいれば「喫煙室を整備すればにおいも漏れません。みんなが利用でき、職場のコミュニケーションを活性化できる場所も作りましょう。」と声をかけ、

北に産業保健チームがいれば「最初は小さな活動でも、社員の関心度を高め、ニーズを調査し、今回の結果を生かして、今後、効果的な活動へとつなげていきましょう。」とやる気を引き出す。

そんな産業医に私はなりたい……なぁ(笑)。

スーパー産業医への道

ニーズ調査、企画、立案、実施、効果評価と、一連の運営サイクルを回すのは大変なことです。このような手続きを踏まずにイベントだけを実施することもできます。同じような活動内容であれば、効果に大差は無いでしょう。

しかし、手順を踏んで行われた企画は社員にも受け入れられやすく、チームのモチベーションも高くなり、結果を次に生かせば、より質の高い活動へと発展していけます。何より、チームで活動すれば、ひとりで活動するよりもずっと大きなことができるのです。

「産業保健スタッフをまとめ、チームを運営すること」は、産業医に求められる上級スキルです。来週にはチーム内での会議があり、その後、会社側に提案するプレゼンの機会もあります。雨にも負けず、風にも負けず、チームの力を借りて、ぜひ、この企画を成功させたいと思っています。

あなたの仕事は「おもしろい」ですか?

会社のしくみをあまり知らない人に、自分の仕事をわかりやすく説明するには、なんといえばいいでしょうか。「営業」 「事務職」 「課長」 「SE」などという言葉をあえて使わず、自分の仕事が会社にとってどんな役割を持つのか、説明を考えてみましょう。
 
例えば「経理」という仕事。会社が商売をすると、さまざまなお金の動きが発生します。商品の仕入れや販売に関わるお金、電気代や交通費、社員の給料、それから税金など。会社の経営状態を把握するには、そういったお金の動きをまとめて管理する必要があります。それが「経理」という仕事です。経理の仕事には、お金の計算や税制などに詳しい人が適任です。

あるホテルマンから、以前こんな話を聞いたことがあります。就職したばかりのころ、彼に与えられた最初の仕事は、客室清掃とベッドメイキングでした。接客に魅力を感じてホテル業界に入った彼にとって、むしろ客の目に触れないように作業する清掃の仕事は、とても苦痛だったそうです。

しかし3ヶ月ほどすると、清掃を手早く終わらせる方法を考えたり、予約状況に応じてベッドメイキングの順番を調整したりする仕事を、「おもしろい」と感じるようになったのです。そうすると、客室清掃の業務が、実はホテル全体の客室管理に深く関わっていることにも気づき、それ以降、とても前向きに仕事ができたといいます。

このように、会社にとって自分の仕事が「なぜ必要か」を考えることや、どんなにつまらないと思える仕事にも「おもしろさ」を見つけ出すことで、仕事の充実感や満足感が大きく高まります。これはモチベーションの維持やストレスの軽減などにも効果的です。

いつも当たり前のようにこなしている日常業務の意味や、自分の仕事の(隠れた)おもしろさについて、あらためて考えてみてはいかがでしょう。

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。

医学博士になっちゃった。

え~と、医学博士になってしまいました。長かった大学院もこれで卒業ってことで、映画館に学生料金で入ることもできなくなるし、アカデミックパックも買えなくなりました。ああ、やっと学生気分が抜けましたよ。長かったなあ。

 
一般に「医学博士」と言えば、『○○で○○が治った!!』的な書籍の宣伝に使われることが多い肩書きですよね。例えば「生活習慣病の原因の大部分は肥満。余分な体脂肪が地球の引力に引き寄せられて病気が起こる。そこで、1日に15分ずつ逆立ちをすれば、引力の働きを逆にすることができるので、つまり血圧もコレステロールも血糖値も下がるのであ~る!!」なんていう「逆立ち健康法」も、「医学博士」の肩書きがつくだけで説得力が出てくるような気がしませんか?

そうそう、外国では「博士」ってつくと、ホテルのボーイさんやレストランのウェイターの応対が全然違ってくるんだって。ホントかなあ。日本だと博士って肩書きがあっても、別に何も変わらないみたいです。とにかく、これからは学生料金じゃなくて一般料金を払いたいと思います。あと、今後、このサイトで紹介する色んなグッズは、すべて「医学博士推薦!!」のお墨付きです。安心してお買い求め下さい。

教授からの呼び出し

突然、内科の教授から呼び出しがありました。2年前に東大からやってきた教授は、臨床も研究も一流を要求するバリバリのやり手。大学院生の僕は、医局の手駒のひとつなのですが、産業保険の道をすすみたいというのは、内科の中では相当の異端児なわけで(笑)。
 
2週間ほど前の面接では「もう1年間研究を続けなさい。ほら、そこでイエスと言いなさい」とか言われちゃったし、今日は何だろうかとビクビクしながらも、言い負かされずになんとか説得しようと、手帳を3ページも使ってメモを用意したりして、ドキドキしながらその時を待ちます。

ところが部屋に入ってみると、教授はニコニコしています。なんでも昨日、近くの製鉄所の病院の院長と会合があったそうで、そのときに僕のことを紹介してくれたのだとか。その企業は日本でも最大規模の製鉄所で、病院が併設されているため、産業医としても臨床医としても仕事ができる理想的な環境だと教授は言います。

確かに、従業員の主治医と連絡が取りやすいということは、産業医として活動する上で大きなメリットです。週に何日かでも病院で勤務することができれば、臨床医としての感覚も失うことはないでしょう。

しかし、教授の口ぶりからは「産業医はデスクワークばかりでつまらない仕事だ」という本音がうかがえます。「関連病院のひとつに医局員を派遣したい。医局の関連する産業医を地元の大企業に送り込みたい」という思惑も見え隠れするように感じられました。

教授は「今すぐにでもそこに決めてしまいなさい」という勢いでしたが、そこで押されて「ハイ」と言うほど今日の僕は弱気ではありません。最も大切なことは、教授とか医局のことではなく、そこで自分が役に立てるかどうかということです。いずれにせよ、さっそく病院長に連絡を取り、現場で仕事をしているスタッフとも話をさせてもらい、その上で判断しようと思います。

幸いなことに、学位取得まで時間的な余裕があります。ひとつの話に飛びつくのではなく、他にも何社か売り込みをかけようと計画中です。与えられた仕事よりも、自らつかんだ仕事のほうが、達成感は大きいでしょうから。