メンタルヘルス対策:必要な「人」と「仕組み」

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さまざまな企業が、それぞれの組織の中でメンタルヘルス対策に取り組んでいます。しかし、休業者の職場復帰支援ひとつにしても「うまくいかない」と悩んでいるところが多いようです。

企業のメンタルヘルス対策、特にメンタルヘルス事例の対応(ケースマネジメント)には「人」と「仕組み」の両方を整備する必要があるだ、というのが僕の考えです。それでは、どのような人と仕組みが必要なのでしょうか。以下、僕がお世話になった先生の受け売りです。

メンタルヘルス事例対応の担当者として必要な人

  • 職場の中のことを知っている人
  • メンタルヘルス不調の病態を把握し、主治医や本人から情報を得られる人
  • 人事や職場からも情報を得られる(得ようとする)人
  • 得た情報を適切に判断し、対応のポイントを人事に説明できる人

メンタルヘルス事例対応に必要な仕組み

  • 担当者が本人と継続して面談できる仕組み
  • 上司、現場、人事、担当者の間で、情報のやり取りができる仕組み
  • 大事なことは紙に残る仕組み

こうした「担当者」の配置方法や「仕組み」の作り方は、企業の規模や、事業所の人数構成、産業保健スタッフの体制によっても異なります。例えば「事例対応の担当者」を産業医がつとめている企業もあれば、看護職や臨床心理士がその役を担っている企業もあります。

参考:生産性新聞の連載記事

職場のメンタルヘルスに「効く」オフィスの整理整頓

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「職場のメンタルヘルスの問題を何とかしたい」「ストレスの少ない、みんなが生き生きと働ける職場を作りたい」という声をよく聞きます。しかし、なかなかいい方法が見つからず、みなさん苦労しているようです。

職場のストレスを軽減するための方法はいくつもありますが、中でも、最も効果的な方法のひとつが「オフィスの整理整頓」だと言ったら、みなさん驚かれるでしょうか。

雑然としたオフィスでは人間関係まで悪くなる

整理整頓ができていないオフィスでは「何がどこにあるのかわからず、仕事が進みにくい」「作業場所が狭くて仕事がしづらい」「共有の文具がいつも行方不明になっている」「書類を回覧しているうちに、どこにいったかわからなくなる」「大事な情報が見つからない、うまく共有できない」「担当者が変わると、何がどこにあるかわからなくなる」など、仕事がスムーズに進まず、イライラがつのり、人間関係までぎくしゃくすることがあります。

何がどこに保管してあるのか、わかるようにする

オフィスの整理整頓の目標は「何がどこにあるのか、みんなが分かるようにすること」、「共有管理/個人管理/私物を区別すること」、「作業場所/保管場所/一時保管場所を区別すること」です。

工場などでは、ドラム缶1本、スパナの1本、ネジの1本にいたるまで、工具の置き場所がそれとわかるように表示されています。そのおかげで、誰がいつ工具を使っても、元の場所にきちんと戻すことができ、気持ちよく仕事ができるのです。オフィスでもそうした「わかりやすい表示」を見習うべきです。

私物の管理があいまいだと、人間関係がいびつになる

また、特に注意が必要なのが「私物の管理」です。例えば、ある人の私物が共有場所にいつも置かれていたり、私物ロッカーの割り当てがあいまいだったりすると、そこに「見えない序列」が生まれ、不公平やいじめの温床になることもあります。私物を置く場所は、全員に公平に確保しましょう。

健康管理室はブラックボックスになりがち

また、会社の「健康管理室」は、従業員の健康情報というプライバシー性の高い情報を管理しているだけに、特別な情報管理と整理整頓の徹底が必要です。しかし実際のところは、総務や人事の目が届かないブラックボックスになりがちで、フタを開けてみてびっくり……なんてこともあります。

書類を整理してすっきりと風通しのよい職場を

「最近、職場の雰囲気が…」「どうも仕事が非効率的で…」とお悩みの方に「文書管理キャンペーン」はいかがでしょうか。みんなで汗を流して、古くなった書類を片付け、すっきりとした風通しのよい職場を作りましょう。

メンタル不調の早期対応、上司の3つの心得

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山田さんは入社4年目の若手社員。後輩の面倒見も良く、仕事もバリバリこなす期待の星です。ところが最近、以前のような活気がなく、仕事中もぼんやりしています。伝票の宛先を間違えるといった単純なミスも増え、いつもの山田さんらしくありません。上司の川原課長は、そんな山田さんの様子が気になるのですが……。

職場のメンタルヘルス不調を早期に発見するためには、管理監督者が「いつもと違う部下の変化に気づき」、「声をかけて話を聴き」、「健康管理スタッフにつなぐ」ことが重要です。

①「いつもと違う」変化に気づく

職場のメンタルヘルス不調は、勤怠の変化、パフォーマンスの変化、行動や様子の変化として現れます。特に遅刻や欠勤、急な休みなど、勤怠の変化には要注意です。

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メンタルヘルス不調の多くでは集中力や判断力が低下し、業務パフォーマンスが低下します。仕事の能率が悪くなる、ミスが増える、報告や相談が少なくなる、残業や休日出勤が不釣り合いに増える、といった変化が見られます。

また、業務中にぼんやりしていたり、表情や行動に元気がなくなったりするなど、行動や様子に変化が見られることがあります。感情の起伏が激しくなり、ふだんでは考えられないような暴言を吐く、同僚や顧客とトラブルを起こすといったこともあります。

②「どうしたの?」と声をかけて話を聴く

こうした「いつもと違う」変化の背景には、メンタルヘルス不調が隠れていることがあります。部下の変化に気づいたら、「今月になって3回も遅刻してるけど、どうしたの? 夜はちゃんと眠れてるの?」などと、具体的に声をかけ、落ち着ける場所で部下の話を聴きましょう。

「いえ、大丈夫です」と部下が話をしてくれない場合は、あまり踏み込まずにもう1〜2週間様子をみて、その後も様子の変化が続いていたら、再び声をかけます。部下の話を聴くときには、一方的に批判したり決めつけたりするのではなく「共感的な態度」を心がけましょう。

③健康管理スタッフにつなぐ

話を聴いて、背景に病気がありそうだと感じた場合や、病気があるかどうか自分には判断できないと感じた場合には、すぐに健康管理スタッフや人事担当者に連絡し、産業医面談を行って下さい。部下が面談に応じない場合は、上司自身が産業医に相談します。

生産性新聞の連載記事

生産性新聞に2008年3月〜10月まで連載していた「職場のメンタルヘルス問題解決のしかけ」がホームページ上に掲載されました。興味のある方は是非ご覧下さい。

  1. メンタル不調の特徴と職場での対応(2008年3月15日号)
  2. 早期発見と早期対応のコツ(2008年4月15日号)
  3. 職場復帰のタイミング(2008年5月15日号)
  4. 職場復帰支援(1)~仕組みだけではうまくいかない~(2008年6月15日号)
  5. 職場復帰支援(2)~専門家だけでもうまくいかない~(2008年7月15日号)
  6. 注目集まる「組織公平性」(2008年8月25日号)
  7. 社内広報で認知度向上(2008年9月15日号)
  8. 不可欠な経営層の理解(2008年10月15日号)

メンタル不調者の復職支援ツール

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メンタルヘルス不調者の休業期間は平均で約5ヶ月間と言われており、前後の体調不良も考えると、約1年間は労働力の損失を生じます。 休業中のケアが不適切だと回復が遅れ、その期間はさらに延びてしまいます。専門家でなくても休業中のケアを円滑に進められるようなツールを作成しました。

(1) うつ状態のステージ分類シート

うつ状態のステージ分類シート [拡大] [PDFダウンロード]

うつ状態で休業した社員に対して、適切な復職判定や回復支援を行うには、回復のレベルを正しく把握しておく必要があります。この「うつ状態のステージ分類シート」を用いると、本人・担当者・人事・上司・家族・主治医などの関係者間で、以下のような「共通用語」を用いて対応することができます。

  • 回復初期:睡眠時間が極端に長く、一日中寝ている。
  • 生活安定期①:夜に寝て昼に起きる。家の中でごろごろすることが多い。 疲れやすい。
  • 生活安定期②:日中、横にならず起きていられる。少しながら外出できる。意欲も少し戻る。
  • 復職準備期①:午後から短時間なら外出できるが、長時間や人混みは疲れる。
  • 復職準備期②:午前中からも外出できるようになる。集中力や理解力も戻ってくる。
  • 復職準備期③:出社を模した通勤訓練が、継続してできるようになる。
  • 復職可能:フルタイム5日間の出勤が1ヶ月続けられる状態になる。疲れも翌日には回復する。

(2) 生活記録表

生活記録表 [拡大] [PDFダウンロード]

回復のステージを評価するために、この「生活記録表」を用いて、睡眠時間や外出時間など休業中の生活の記録を付けてもらいます。こうした記録をもとに実績に基づいて回復の度合いについて判断することが大切です。同様の記録用紙を主治医からもらっている場合もあります。

(3) 復職準備チェックシート

復職準備チェックシート [拡大] [PDFダウンロード]

主治医の考える「復職可能レベル」と、会社側の考える「復職可能レベル」にはギャップがあります。再発のリスクを避けるためには、会社側の求める「復職可能レベル」に到達しているかどうか、客観的に評価する必要があります。

このチェックシートは「病休・休職中のうつ病患者の復職可能性判定を客観化するための 評価尺度と質問紙の開発 」の質問紙を一部アレンジしたもので、復職可能性を評価する材料になります。

こうしたツールを使うことで、本人の回復状況や復職までの道のりについて関係者間で共有できれば、職場復帰が円滑に進むようになります。