メンタルヘルス研修「しょくばのストレス」

9〜11月は社内外でメンタルヘルス研修を行う機会が多く、プレゼン用のリモコンも大活躍です。

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今年のセルフケア研修は「あそび感覚で楽しく」参加してもらえるよう、ドット絵風のグラフィックと、ファミコン風フォント(FAMania)を使ってスライドを作成しました。Keynoteで作成したスライドを、一度、画像ファイルに書き出して、Power Point形式に変換しています。

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途中で「エゴグラム」を書いてもらい、自分のコミュニケーションの強みと弱みを理解します。「エゴグラムを書くと盛り上がる」というのは本当なんですね。こちらが驚くほどにぎやかになります。

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エゴグラムの解説はさらりと済ませ、本題の「職場における難しいコミュニケーション」の解説にうつります。「耳の痛いことを言われたとき」というのは、なかなか対応が難しい場面です。いろんなシーンでの対応を、参加者といっしょに考えていきます。

新入社員に会社の厳しさを叩き込んできたよ

今年の新入社員に「ストレスと上手に付き合うスキル」というテーマで、1時間の研修を行ってきました。

新入社員は、会社の中でさまざまなストレスを感じるものです。ストレスに前向きに対処するための客観的な考え方や、困ったときに率直に上司に相談するためのコミュニケーションなど、DVD「新人・若手社員のセルフケア」を教材に用いて講演してきました。


新入社員の初期研修の期間は、重要なプログラムが目白押し。その中で、1時間も貴重な時間をいただいたので、張り切りって準備していきました。NHKの若手ビジネスマン向け情報番組「めざせ!会社の星」にタイトル画像を似せてみたり。困ったときに、少しでも今日の内容を思い出してくれるといいなあ。

パワハラ上司 vs ゆとり社員 (第1ラウンド)

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「少し注意しただけですぐ落ち込む」「言われたことしかやらない」「上司との飲み会をきっぱりと断る」……最近の新入社員について、人事担当者や上司からこうしたため息混じりの言葉をよく聞きます。

いわゆる「ゆとり教育」を経験した20代前半の若者たちは、時に「ゆとり社員」と呼ばれます。彼らを適切に育成するためには、どのように接すればよいのでしょうか。彼らが育ってきた時代や環境を把握することで、その思考パターンや行動パターンを理解するヒントが得られます。
(参考:「職場を悩ます ゆとり社員の処方せん」池谷聡 著、朝日新聞出版

■ゆとり社員が育ってきた時代と環境

(1) 個性尊重のゆとり教育
ゆとり教育のもと、子供たちは個性を重んじられ、規律や規則に縛られることなく、あるがままの自分をやさしく受け入れられて来ました。関心のあることを自由にやらせることが「自分らしさの発揮」と尊重され、親や教師から厳しく注意されることもありませんでした。

(2) 進学も就職も苦労知らず
売り手市場だったため、人生最初の難関となるはずの進学や就職活動などでも挫折や苦労を経験してきませんでした。

(3) コミュニケーション体験の不足
同年代の気の合う仲間とのコミュニケーションしか経験しておらず、年長者や立場の違う人とのリアルなコミュニケーションの体験が不足しています。

(4) 豊かな時代
物質的に豊かな時代に生まれ、必要なものは何でも買い与えられてきました。欲しいものを苦労して手に入れる経験に乏しいのが特徴です。

(5) 将来への暗い見通し
終身雇用制度の崩壊、不況、倒産、年金問題など、将来に関する暗い話題が多い時代に育ち、身近な人のリストラを目の当たりにしてきました。

(6) インターネットの発達
たいていの情報はインターネットを検索すれば瞬時に答えが見つかるようになり、本で調べたり、人にたずねたりすることは減ってきています。

■ゆとり社員たちの思考パターン

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(1) 将来への不安が強い
倒産や解雇の不安を常に感じており、変化の激しい社会で生きていくためには、社会に通用する実力を身につけることが必要だと考えています。

(2) 成長意欲が強いが思考は短絡的
社会に通用する実力を早く身につけたいという強い成長意欲を持っています。また、単調な仕事や、すぐに成果が出ない仕事、回り道だと思える仕事には興味を持ちません。

(3) 個性を認められないと苦痛に感じる
型にはまることや、頭ごなしに否定されることを嫌います。自分のことを理解してくれる相手(会社)を求めており、そうでない状況には強い苦痛を感じます。

(4) コミュニケーションは主にメール
メールは都合のよい時間にやりとりできる便利なツールだと考えており、電話や対面のコミュニケーションには苦手意識があります。

(5) 根拠のない自信
これまで個性や自分のやりたいことを尊重されてきたため、自分は何でもこなせる、出来るはずだと思いこんでいます。

(6) 失敗を極度におそれる
失敗は許されない、失敗すれば評価が下がる、職場から見放されると恐れています。失敗のない確実な方法を見つけたいと考えています。

(7) 仕事は与えられるもの
成長を強く求める一方で、成長は自己研鑽の結果として手に入れるものではなく与えられるもので、指示された仕事をこなすだけでよいと考えています。

(8) 人間関係
自分をよく理解してくれない人の言うことは聞きたくないと考えています。ちょっとアドバイスを受けただけで、自分を強く否定されたと感じます。年長者との対面に苦手意識を持っていますが、目上の相手にも意見をストレートにぶつけることが良いことだと思っています。

■ゆとり社員たちの困った行動パターン

(1) 仕事をしない
・言われたことしかやらない。
・雑務や単純作業などは自分の成長につながらないと反発する。
・会社の伝統や習慣だからという説明では納得しない。
・具体性の無い成長願望を抱いており、やりたい仕事にこだわる。

(2) 仕事ができない
・自分で考える姿勢が無く、受け身で指示待ち。
・「できない」と言えず、困っても聞きに来ない。
・仕事に行き詰まっていても、先輩のアドバイスは無視する。

(3) 自己主張が激しい
・上司に対して対等な口調で話をし、要求をしてくる。
・周りの状況や相手の立場を考えず、自分の意見を主張する。
・上司との酒はきっぱりと断る。

(4) 人間関係を築けない
自分の主張を否定されると、この人は自分を理解してくれないとレッテルを貼り、言うことを聞かなくなる。
・いったん人間関係が壊れると自分から関係を修復しようとはしない。
・話しかけても反応が薄く、伝わっているかどうかわからない。

(5) 何でもメールですませる
電話一本で済む用事や、急用までもメールで済ませてしまう。
・部署にかかってきた電話を取ろうとしない。

(6) ストレス耐性が低い
注意を与えるとすぐに落ち込み、体調を崩して休んでしまう。
・苦労知らずでめげやすい。
・この会社では成長できない、自分の思いがかなわないと思うと、やる気を無くしたり、すぐに辞めたりする。

■適切な接し方/指導の仕方

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(1) 新入社員研修
ストレス対処法、自分で考える力、周囲の状況や相手の意向にあわせた会話能力、チームや組織の一員としての振る舞い方、電子メールの適切な使い方など、ビジネスの現場で一般的に要求されるスキルを、新入社員研修など、なるべく早い機会に教えておくことが重要です。

(2) 人間関係を築く
適切な人間関係を築くためには上司の方から働きかける必要があります。毎週決まった時間に1対1でミーティングを行うことが効果的です。ミーティングでは、1週間の業務、来週の業務、仕事の悩みや感想、社内の人間関係などを話題にして、社員の感じていることを「聴き出し」ます。時にランチ・ミーティングを行い、職場では言えない愚痴や相談、仕事以外の話題についても話を聴きます。

(3) 仕事を教えるコツ
職場における「仕事の型を覚える」ことのメリット(仕事の全体像をつかめ、効率よく仕事ができる)を伝え、単調に見える作業にも積極的に取り組む大切さを教えます。また、自ら課題を発見できるように、周りの先輩に声をかけて仕事を手伝ったり、分からないことを自分から積極的に聞いたりするように教えます。常に声をかけ作業の進捗を具体的に把握し、メールを使うか電話をかけるかも明確に指示します。

(4) ほめ方
新しい課題をクリアしたとき、成果をあげたとき、自分で考えた意見を言ったときなど、小さな成長をほめます。成長の実感を得られるよう、本人の過去と比較して良くなった点を具体的にほめます。他人と比較するのはNGです。

(5) しかり方
他人の前でしかる、怒鳴る、他人と比較してしかることは避けます。「〜しなさい」ではなく「〜しましょう」と言うと効果的です。問題となる具体的な行動について明確に指摘した上で、本人の将来に期待していることをきちんと伝え、今後の仕事への原動力になるように励まします。

参考文献:
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「職場を悩ます ゆとり社員の処方せん」(池谷聡 著、朝日新聞出版)

アサーティブな態度を身につけるには (アサーション)

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前回は「アサーション」という、自分と相手の両方を大切にした、率直で誠実なコミュニケーションの方法をご紹介しました。アサーションは職場だけでなく、家庭や学校、地域社会でも役立つ実践的な考え方です。しかし、今ひとつ理解しにくい、実践しづらいと感じるひとも多いようです。それはなぜでしょうか。

理由(1) 「非合理的な思い込み」にとらわれている

わたしたちは知らず知らずのうちに、「人は~であるべきだ」という考え方にとらわれています。このような考え方が強すぎると、思考や行動が大きく制限され、素直なコミュニケーションができなくなります。

(1) 人は誰からも愛され、人から受け入れられるようであるべきだ。
(2) 人を傷つけてはいけない。そのような行為は非難されるべきだ。
(3) 人は常に完璧でなくてはならず、失敗をしてはいけない。
(4) 思い通りにことが進まないことは致命的なことだ。
(5) 危険や害になりそうなものに、人は深刻に心配をするものだ。
(6) できないと言うことは、能力がないということだ。
(7) 上司や親、目上の人の命令は断ってはいけない。

例えば(1)や(2)の考え方に強く縛られていると、他人と異なる意見を言いにくくなります。(3)や(4)の思い込みが激しいと、失敗を恐れるあまり、自分を強く責めたり、他人の小さな失敗まで気にするようになります。(4)や(5)の考え方が強すぎると、思い通りにならないことがあったとき、イライラして相手を責めることになります。(6)や(7)の思いこみが強いと、職場で大きなストレスを抱えることになるでしょう。

こうした考え方のことを「非合理的な思い込み」といいます。非合理的な思い込みに対処するには「そうであるにこしたことはないが、そうでないこともある」と考えることです。例えば「他人を傷つけないにこしたことはないけれど、傷つけてしまうこともあり得る。その時は誠意を持って、修復に心がければよい」と考えます。非合理的な思いこみを、建設的で合理的な考え方に変えると、ずいぶん気持ちが楽になります。

理由(2) 自分の感情をあまり意識していない

アサーションとは人間の感情を大切にするやり方です。しかし私たちは、ふだん、自分自身の感情をあまり意識していません。例えば腹を立てているときに、「何に対して」「なぜ」怒りを感じているのかを考えないまま、感情を押し殺したり、怒りを相手にぶつけたりすることも多いようです。

「何となく気が進まない」「何となく苦手だ」という気持ちは、最初に身体を通じてあらわれます。伏し目がちになったり、身体が硬くなったり、顔がこわばったり、口の中が乾いてきたりします。そんな身体のサインを感じたら、自分の感じている「何となくイヤだ」という気持ちを、無理に否定しないで、ストンと心に落とすようにします。身体の声に耳を傾けると、自分の気持ちを理解しやすくなります。

自分の感情と、それを引き起こしている客観的な状況とを切り離して考えることも効果的です。例えば、自分が本を読んでいる横でAさんがギターを弾いています。その時「Aさんがうるさい」「ギターの音がうるさい」と考えるのではなく、「いま、Aさんがギターを弾いているのを聞いて、私は読書に集中できず、いら立ちを感じている」と考えるのです。なるべく具体的に、客観的に状況を記述すると、その後の交渉がスムーズに進みます。

まとめ

アサーティブな態度を身につけるには、非合理的な思いこみにとらわれないようにすること、自分の気持ちの変化に気づくこと、自分の気持ちと、それを引き起こしている状況を別々に考えることが大切です。

次回は、他人に何かを提案したり、意見の異なる相手と交渉する場面で役に立つアサーション・スキルについて説明します。

参考文献:『アサーショントレーニング ~さわやかな「自己表現」のために~』
(平木 典子、日本・精神技術研究所)
『NOを上手に伝える技術』(森田汐生、あさ出版)