Archive for the '職場巡視' Category

おとなりの職場に学ぼう! 職場巡視良好事例集2006

Junshi Good Practice2006

私が産業医として勤務している会社では、定期的に職場巡視を行っています。2006年度に私が参加した計16回の職場巡視の中から、良好事例を50ヶ所とりあげた事例集を作成しました。

職場巡視の3つの目的

産業医と衛生管理者による職場巡視は、労働安全衛生法に基づいて行われています。職場巡視には大きく3つの目的があります。

(1) 安全・健康・快適職場作りの視点から、作業環境と作業のやり方を点検する
(2) 実際の職場や仕事の様子を観察して理解する
(3) 産業保健スタッフと社員の垣根を低くし、相談窓口として機能しやすくする

「仕事による健康影響」や「職場の健康影響」を考える上で、現場を実際に見ることはとても大切です。職場巡視は産業医の最も重要な活動のひとつです。それに「いろんな職場や仕事を見てみたい」と思って産業医になった私にとっては、とても面白い仕事でもあります。

職場巡視の良好事例集

2006年度は、私の担当する2つの地域で合計16回の職場巡視に参加しました。毎回の巡視報告書とは別に、毎年1回「良好事例集」を作成しています。現場の良好事例や改善事例を共有することで、波及効果があればと考えています。

職場巡視の報告に最適なソリューション

職場巡視データベース

職場巡視とは、安全で快適な職場作りのための、もっとも重要な産業保健業務のひとつです。「職場巡視データベース」は、デジタルカメラで撮影 した写真をふんだんに使った、わかりやすい職場巡視報告書を短時間で作成するための FileMaker ソリューションです。 各職場の衛生管理者、産業医、保健師などの産業保健スタッフの方に使っていただくために開発しました。

 
職場巡視データベースは4種類の書類を作成できる

職場巡視データベースでは、巡視中に撮影したデジタルカメラの写真をインポートし、指摘コメントを記入した「職場巡視報告書」(現場で対策を記入する対策書も兼用)と、安全衛生委員会などでプレゼンするときに使う「スライド」、報告書を現場に送付するときの「連絡書」、報告書を作成するときに同行者にコメントの記入を求める「ドラフト」の 4 種類の書類を作成できます。

職場巡視データベースで作成できる書類

動作環境
・ FileMaker Pro 8.5 (無料試用版でも可)
・ Windows 2000、Xp、Vista、Mac OS X

ダウンロード
職場巡視データベースのマニュアル (880KB)
職場巡視データベース 1.10 をダウンロード (2.9MB)

最新版はこちらのページからダウンロードしてください。
※ 使用方法など、詳しくはマニュアルをご覧下さい。
※ ぜひ皆さんの職場でご利用いただき、ご意見をお寄せください

FileMakerで職場巡視データベースを作ったよ

僕の趣味は、ムダに高い PC スキルをむりやり仕事に活用すること。最近、FileMaker を使って「職場巡視データベース」を作ってます。職場で披露したところ好評だったので、会議でプレゼンさせてもらうことになりました。ドキュメントを整えた後、一般公開する予定です。

 
職場巡視というのは、安全や健康の視点から作業現場をチェックして回るという産業医の大切な仕事です。巡視の後で、写真を貼り付けた報告書やプレゼン用のスライドを作るのですが、けっこう大変な作業なんです。

もちろん、Mac でも Windows でも使えます。皆さんのお役に立てていただければ幸いです (画像を拡大)。

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あなたの足元は大丈夫?

ある会社の調べでは、労災の1~3割が転倒による負傷で、くつに原因のある事例が多かった。高いヒールのくつや雨の日に滑りやすいくつは要注意。また、ケガをしたときは直ちに上司を通じて関係部署に連絡し、早めに病院を受診しよう。
 

■あなたの足元は大丈夫ですか?

きのうの会社帰りのこと。女性が駅から出てきたところ、排水路の2cmくらいの隙間にハイヒールが挟まってしまい、靴は脱げるわ、はだしで2~3歩よろめいて転びそうになるわ、おまけにハイヒールはなかなか抜けないわと、ちょっと大変なことになっている場面に出くわしました。

マンガのような状況に吹き出しそうになったのですが、もし転んでケガでもしていたら立派な通勤災害です。ちょっとしたところに危険が潜んでいるのだなあと、自分がハイヒールを履いていない幸運に感謝したのでした。

当社の労災の状況を調べてみたところ、都市圏では、転んだりつまずいたりといった事例が数割を占めていたそうです。女性ではヒールが高い靴、男性でも雨の日にすべりやすい靴は特に危険です。通勤時と移動時の安全について、文字通り「足元から見直す」ことが必要なのかもしれませんね。

■ケガをしたら速やかに上司に報告を

業務上や通勤途中のケガは「労災」として扱われ、治療費や休んだ間の賃金の補償などを受けることができます。「災害ゼロ」を目標にいろんな会社が災害防止に取り組んでいますが、実際はすべったり、転んだり、クルマをぶつけられたり、手が挟まったり、毎月いろいろな災害が発生しています。

社内のルールによると、災害が発生したとき、ケガをした社員は(その程度にかかわらず)当日中に直属上司にそのことを報告し、そして上司は健康管理室の○○さん(専任衛生管理者)に連絡し、労災の手続きについて確認することになっています。……まあ、これもイントラネットに昨年掲載された「労災について」という記事の受け売りなんですけどね。

その記事の最後には「軽傷のようでも早めに病院を受診して下さい。打撲のようで実は骨折だったという事例もあります」と書かれています。実は、今年に入ってから、それと非常によく似た事例が発生しており、病院の受診も労災の申請も遅れたということがありました。イントラネットに情報を掲載しても、本当に必要なときに活用されるとは限らないのだなあと感じました。

皆さん、ケガにはどうかくれぐれも気をつけて。もしもケガをしてしまったら、ただちに上司を通じて健康推進室まで連絡するようにお願いします。また早めに病院を受診するようにして下さい。

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。

過去の失敗に学ぶ 「失敗学のすすめ」

「失敗学のすすめ」という本の中では、失敗の情報を共有して原因に学ぶことが技術の発達や組織の成長に重要であると説かれている。
 

最近、『失敗学のすすめ』 (畑村洋太郎、講談社文庫) という本を読みました。「失敗の情報を共有してその原因に学ぶことが、技術の発達や組織の成長にとって重要である」ということが書かれています。歴史的な大事故や企業の不祥事を例に、失敗の原因やその背景について解説されており、リスクマネジメントの観点からも参考になる本です。

この本では、自然災害への対応の事例も取り上げられています。自然災害そのものを防ぐことはできませんが、災害に対して適切な備えや対応が行われたかどうか、大いに分析し、教訓とすべきだと述べられています。

最近は大規模な地震が多く、当社でも大きな被害を受けた拠点があります。その被災状況を撮影した写真を、社内のイントラネットで見ることができます。いつも見慣れた事務所の光景の変貌ぶりはとても衝撃的です。

◆○○支店の被災状況
http://イントラのアドレス

地震対策については、産業医による職場巡視でも重点的にチェックを続けてきました。しかし残念なことに、事務所内のキャビネット、ロッカールーム、倉庫など、棚の転倒防止処置が完全に行われているところはそれほど多くありません。

先日行われた安全衛生委員会で、○○部から次のような報告がありました。本年度に入り、事務所内の棚の固定を中心とした地震対策に乗り出すことになり、地域に点在する拠点への調査がほぼ完了したそうです。

縦割りの会社組織の中では、このように中央から一斉に対策を行うことはとても有効です。壁面固定などの本格的な対策はもちろん、すぐに行える応急処置的な対応も含めて、迅速に、かつ継続的に展開されることを期待しています。今後はこの取り組み事例をもとに、他の地域、部門へも活動を広げていきたいと考えています。

(いつものことですが、写真と本文は関係ありません)

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。