医薬品販売の規制緩和とドン・キホーテ騒動 (1)
大手ディスカウントショップ「ドン・キホーテ」が、夜間に医薬品の無料配布を行うとして、厚生労働省と対立を深めています。背景にある「医薬品販売の規制緩和」について説明します。
「くすり」の種類
私たちが生活の中で使用している「くすり」には、医薬品、医薬部外品、化粧品の 3 種類があります。
(1) 医薬品とは薬の効果が認められ、薬事法に基づく承認を受けています。 薬剤師のいる薬局でしか買えません。医師 (歯科医師) の処方箋が必要な医療用医薬品と、市販されている一般用医薬品の2種類があります。
(2) 医薬部外品とは、おだやかですが薬理作用が認められた成分が配合されています。 入浴剤、制汗スプレー、育毛剤、蚊取り線香、薬用歯磨き、生理用品などです。
(3) 化粧品とは、一般の化粧品の他、石けん、シャンプーなどです。薬理作用はありませんが、色や香り付け、肌の水分を保持しやすくする成分が含まれます。内服するものはなく、どこでも買うことができます。
医薬品の販売は薬剤師のいる薬局のみ
現在、医薬品は薬剤師がいる薬局でしか買えません。薬剤師の役割は、購入者の訴えを聞き、副作用を避ける安全な使用法について情報提供を行うことです。
規制緩和 (1) : スイッチ OTC 薬
スイッチ OTC 薬とは、従来、医師の処方箋が必要だった薬が、一般用医薬品として市販されるようになったものです。代表的なものに H2 ブロッカーの「ガスター 10」などがあります。
市販薬だと健康保健がきかないため薬代はかかりますが、診察代や検査代が必要なく、受診の手間もいらないため、医療費抑制効果が期待されています。
規制緩和 (2) : コンビニでのドリンク剤の販売
1998 年、これまで一般用医薬品とされていたドリンク剤の一部が医薬部外品に変更され、コンビニや一般の小売店、自動販売機など売られるようになりました。この措置によりドリンク剤の利用が増え、青少年や女性などの層にもドリンク剤の利用が広がりました。
薬剤師のいない店での医薬品販売は認められるか?
現在、政府は規制緩和の施策として「一般用医薬品の一部の販売をコンビニなどでも認める方針」を打ち出して協議を行っています。
この第一の目的は医療費の抑制です。軽い症状で病院を受診することを避け、自分で薬を買って対応するようにすれば、全体の医療費は抑制できるからです。
しかし、薬剤師による適切な薬の選択や、副作用や使用方法の説明が受けられなくなるという批判や、市販薬で様子を見ているうちに症状が悪化して病院を受診するタイミングが遅くなるのでは、といった指摘もあります。
ドン・キホーテの夜間のテレビ電話販売と無料配布騒動
総合ディスカウントストアのドン・キホーテでは、これまでも薬剤師を配置した医薬品の販売を行っていましたが、深夜時間帯に薬剤師を確保することが難しくなり、今年の8月より都内の10店舗にテレビ電話を設置し、薬剤師とテレビ電話でやりとりをして医薬品の販売をおこなうようになりました。
しかし、薬剤師の常駐を義務づける薬事法に違反するおそれがあると厚生労働省より指摘をうけ、これに反発したドン・キホーテ側が、「販売はダメでも無料ならいいだろう」と、深夜の緊急時に無料で医薬品を提供するサービスをはじめると発表したのです。これに対して厚生労働省は「現行法では違法」との見解を示し、ドン・キホーテ側との対立が続いています。
参考リンク :
医薬品販売の規制緩和とドン・キホーテ騒動 (2)
【health クリック】医薬品はこのように分類されている
Y! ニュースドン・キホーテ薬販売問題
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