職場のメンタルヘルスのシンポジウムで発表しました

第17回 日本産業衛生学会 産業医・産業看護全国協議会のシンポジウムで、「職場のメンタルヘルス不調の早期発見・早期対応」をテーマに発表をしてきました。

メンタルヘルス不調者の早期発見を行うポイントは、次の4つです。

(1) 管理監督者へのラインケア教育
(2) 一般社員へのセルフケア教育
(3) 相談窓口の整備と周知
(4) 早期発見のための情報収集

中でも「職場の上司に早く見つけてもらって」「相談窓口に早くつないでもらう」ことが効果的です。そのためには、(1)管理監督者の教育、(3)相談窓口の整備をしっかり行うことが大切です。

また、現場の情報収集や信頼関係の構築など、予防活動の基盤を作るには、産業保健スタッフと社員が日ごろからフェイス・トゥ・フェイスの関わりを持つことが有効であると強調してきました。

著名な先生方に囲まれての発表はとても緊張しましたが、とりあえず「わかりやすい説明をする」「かっこいいスライドを披露する」という目標は達成できたかなと思います。

産業保健の世界に入って4年。まだまだ勉強中の身でありながら、このような発表の機会を与えられることはとても光栄なことです。座長の先生方、事務局の皆さん、シンポジストの先生方、発表を聞いてくださった方々に感謝したいと思います。

関連する記事

このサイトの内容は私の個人的な見解であり、私の所属するいかなる団体や組織の見解を反映しているものではありません。

コメント数: 6

  1. 新米産業医 :

    先日のシンポではとてもわかりやすいメッセージをどうもありがとうございました。実はシンポに期待していたことのひとつに、実際面談などで早期発見した際の健康管理スタッフの対応があったのですが、全体を通してあまりそういうことには触れられていなかったように思います。本人の承諾を得て上司を呼んで面談、とか総務・人事・勤労などとの連携とか聞くのですが、実際はどのように行なわれているのでしょうか。システムとして確立されたものがあるのか、ケースバイケースで行なわれているのか、教えて頂けますと幸いです。

  2. 新米産業医 :

    すいません、上記はシンポ時に質問しようとしてしそびれてしまったものです。

  3. なんば :

    新米産業医さん

    産業医や産業保健スタッフが本人との面談の中でメンタルヘルス不調に気づいた場合、

    (1) 病院の受診の必要性を判断し、必要なら、受診を勧める
    (2) 職場での配慮の必要性を判断し、必要なら、本人の承諾を得た上で上司や人事に伝える
    (3) フォローアップの必要性を判断し、必要なら、日程などを決める

    というプロセスをとります。(2)の場合には
    ・人事担当者を呼んできて話をする場合
    ・職場の上司を呼んできて話をする場合
    ・本人も交えて3人、4人で話をする場合
    など、さまざまなパターンがあり、実際はケースバイケースです。

    また、(2)の場合には「産業医の意見書」を作成し、通常は人事担当者に提出します。

    職域でのメンタルヘルス不調の取り扱いなどは「職場におけるメンタルヘルスのスペシャリストBOOK」というテキストが参考になります。
    http://www.amazon.co.jp/dp/4563057118

  4. 新米産業医 :

     お返事ありがとうございます。本来なら学会時に直接お礼(このサイトについて)申し上げたかったのですが失礼しています。いつかまた機会があればと思っております。

     上記ですが、私の職場では(1)と(3)については行なっていますが、(2)があまり行なわれておらず、早期発見(まだメンタルというほどではないけれど、かなりストレスがかかっていて、いずれ問題になりそう)しても、”上司とよく話すように”と言うくらいしかできず、いよいよとなったら休ませる、という感じなのです(復職の際にやっと、上司や人事勤労が動いています)。実際、職場不適応や上司と合わない、など原因は様々なのですが、先生はその場ですぐ本人の了承を取って、ご自分で上司や人事などに連絡をとられていますか?また職場移動などは簡単にできるものではないと思うのですが、どのようなことをお話されているでしょうか。(ご紹介の本にこの辺のことについても触れられているでしょうか?) こういう時に、普段の職場教育がどの位浸透しているか、といったことが大切なのでしょうね。
     

  5. なんば :

    「就業上の配慮は今は不要だけれど、病院に行った方がいいし、仕事の悩みについては上司とよく相談してみたほうがいいよ」というケースも、たくさんあります。

    そんなときは、本人に「よく上司と相談してみるように」と言い含めて、次回の面談で様子を聞くようにしています。また、次回の面談に上司に同席してもらうこともあります。

    異動や配置転換については慎重な取り扱いが必要です。「異動させる」「させない」と結論を急ぐのではなく、人事と本人の意見調整に十分な時間をかけることが、双方の納得感を高め、良好な予後につながるようです。時にはなだめ、時にはハッパをかけながら進めています。

    もちろん、こうしたやり方は企業のルールや体制にあわせるべきです。専属産業医がいるのか、常勤か非常勤かによっても、産業保健スタッフの役割分担などが変わってきます。

  6. 新米産業医 :

    ありがとうございます!

    少しイメージできてきました。
    今後の課題として、総務との連携、セルフケア、普段からの上司教育などが見えてきました。(ちなみに私は、常勤・専属です)

    私以外にも専属産業医がいるのですが、”法的に問題がある”とか”責任がとれない”などということをしばしば言われ、以前(病院で)は目の前の患者さんのために一生懸命やる事が許されていたので、少々とまどいを感じています。産業医にできることに限度があるのは理解できるのですが、もう少しなにかできないか、と考えてしまいます。

    これからもどうぞよろしくお願いします。