医師と医学博士は別のもの

新聞広告などでよく見かける「○○でガンが治った!!」という本の著者にはたいてい「医学博士」という肩書きがついています。よく混同されていますが「医師」と「医学博士」とはまったく別のものなのです。
 
医師・医学博士になるには
「医師」とは医師国家試験に合格して医師免許を取得した人を指します。その多くは病院に勤務して患者さんの治療にあたり、多少なりとも慈悲の心と自己犠牲の精神を持ちあわせ、医学という学問に対する愛情と、職業に対する誇り、苦しむ患者さんを助けたいという熱意を持っているプロフェッショナルです。

「医学博士」とは、医学部の大学院で 4 年間研究して論文を作り、審査にパスして「学位」を取得した人を指します (大学院に入らず研究生として大学に在籍し、研究して論文を書く場合もあります)。医学博士の学位は医学部だけでなく、他の学部の出身者も多く取得しています。つまり、医師でなくても医学博士になれるのです。

「医学博士」の肩書きに大した意味はない

医師の世界では、医学博士という肩書きはほとんど意味を持ちません。患者さんの治療を行う医師 (臨床家) にとっては、学位の有無や研究内容よりも、診断能力や治療技術など臨床家としての腕前が第一に評価されるからです。

研究者たちの世界では、学位(博士号)の有無ではなく「どんな研究をしてきたのか」という研究実績のほうがずっと重視されます。それは、世界中から注目される優れた研究であっても、誰も見向きしないようなくだらない研究であっても、学位審査にパスすれば同じように学位が与えられるからです。

つまり、医学博士という肩書きは、「苦労したかいあって、賞状がもらえてうれしいな」という程度の意味しかありません。医師にとって大切なのは「医師としてどんな仕事をしているか」ということ、そして研究者にとっては「研究者としてどんな仕事をしているか」ということなのです。

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