ワークライフバランスの実現が求められる8つの理由
最近は色々なところで「ワークライフバランス」という言葉を耳にします。ワークライフバランスとは、仕事と、仕事以外で自分が大切にしていることの両方にきちんと時間を使える生活のことです。

■ワークライフバランス、企業にとっての意義は?
それでは、なぜ、今になって、企業がワークライフバランスの実現を求めるようになったのでしょうか。その理由については次のような分析があります。
(1) 優秀な人材を確保する: 団塊の世代の一斉退職、正社員の減少、雇用の流動化の中で、優秀な人材の定着や活用をはかるためには、ワークライフバランスのとれた魅力的な職場を提供することが必要とされています。
(2) 新たな価値を創造し、競争力を強化する: 新たな価値を創造するには、単一の価値観しか持たない集団では不利になります。ワークライフバランスの実現によって、様々な経験や価値観を持つ従業員が集まり、それぞれの能力が十分に発揮されれば、企業の競争力が高まります。
(3) 従業員の勤労意欲や生産性を高める: 長引く不況や株主偏重の経営スタイルによって、従業員の愛社精神や勤労意欲が薄れ、企業の継続的な発展が脅かされるようになりました。そんな中、従業員も重要なステークホルダーの一員であると再認識されるようになり、働きがいのある職場作りに向けた取り組みに注目が集まっています。
(4) 企業の社会的責任(CSR)を果たす: 男女雇用機会均等法や少子化対策、障害者雇用、定年再雇用など、ワークライフバランスの実現に向けて、企業への社会的な要請も高まっています。
ふむふむ、(4)のような観点だけではなく、(1)~(3)のように、企業体質を強化しようという考え方も強いようです。ワークライフバランスの実現も、時代に合わせた企業の利益追求の活動の一つなのかもしれません。
■ワークライフバランス、従業員にとっての意味は?
一方、従業員にとって、ワークライフバランスの実現はどのような意味があるのでしょうか。ワークライフバランスというと、とかく育児や介護、時間短縮の話題になりがちですが、実はそれだけではありません。いろいろなところで、私たちの生活と大きなかかわりを持っています。
(1) 仕事に偏った生活は家庭内の問題を引き起こす: 仕事に偏り、家族とのかかわりが不足した状態が長く続くと、熟年離婚などの夫婦間の問題や、子供の不登校や引きこもりなど、深刻な家庭内の問題が起こることがあります。
(2) 家族の介護と仕事の両立を支える: 家族が病気になると、肉体的にも精神的にも大きな負担となります。また、いずれは両親の介護の問題がおとずれます。そんなとき、柔軟に働き方を調整できる仕組みがあれば、仕事と家庭を無理なく両立できます。
(3) 仕事以外にもきちんと時間を使える: 子育て、趣味、地域活動、勉強、社会貢献など、仕事以外で自分が大切にしていることに対しても、きちんと時間を使える生活は、一人一人の活力の源となります。
(4) 継続したキャリア・アップが保証される: 何らかの理由で一時的に仕事から離れていたとしても、職場に戻った後で能力に応じてキャリア・アップしていく仕組みがあれば、職場と家庭の両方で安心して力を発揮できます。
社員の皆さんの話を聞いていると、忙しい部署はずっと忙しく、残業が多い人はいつも残業が多い傾向があるようです。そんな時に家庭で何か問題が起きると、仕事と家庭の両立が難しくなって、だんだん疲れ果ててしまうケースもあります。
■企業の取り組みとその課題
次回の記事では、さまざまな企業の取り組み事例と課題をご紹介しながら、「働き方の変革」とは何かを探っていきます。
関連する記事
このサイトの内容は私の個人的な見解であり、私の所属するいかなる団体や組織の見解を反映しているものではありません。
2007年6月17日 21時39分 #
学会でお会いする、あるいは会った事があったかもしれない
零細企業のアジテーターと申します。
大変参考になるサイトだったのでお礼をこめ、コメント
させて頂きます。
先生のご活躍とさらなる飛躍を心からお祈り申し上げます。
2007年6月18日 19時36分 #
アジテーターさん
こんばんは。このサイトがお役に立てたようで、大変うれしく思います。
どこかでお会いすることがありましたら遠慮無くお声をおかけ下さいませ。