ストレスに負けない仕事術1 (ストレス・コーピング基礎編)

Aさんは入社3年目の営業職。大きな仕事も任せられるようになり張り切っていましたが、思うように結果が出ません。最近では、自分には営業の能力がないのではと悩むようにもなり、すっかり自信を無くしてしまいました。思い切って上司に相談してみましたが「ここが踏ん張り所だ。わからないところは私が教えてやるから、もっとがんばるように」とハッパをかけられてしまいました。
こんなとき、あなたならどうしますか?
(A) 上司の言うとおりだと思い、がんばる
(B) 営業成績のいい先輩に相談してみる
(C) これまでの仕事のやり方を振り返ってみる
(D) 自分には能力がないとあきらめる
☆その結果、Aさんはどうなったでしょうか (答えは最後に)
■ ストレス・コーピングとは
以前、「ストレスに強い『考え方』を身につける」という記事のなかで、私たちが感じているいわゆる「ストレス」というものは、ストレッサーに対するストレス反応のことだと説明しました。同じ状況にあっても、それに対してどのように考え、どう行動するかによって、ストレス反応には違いが出てきます。

ストレッサーへの対処法のことを「ストレス・コーピング」といいます。適切なコーピングを行えば、心身を良好な状態に保つことができるだけではなく、問題をうまく解決することもできるのです。
■ コーピングの種類
ストレス・コーピングの方法は大きく次の4つに分類されます。

これらの方法は、積極的だからよい、消極的だからよくないというものではありません。ストレッサーの種類や緊急度、周囲の状況、実行可能性、タイミングなどを総合的に考えて、もっとも適したコーピングを行うことが大切です。
次回は、身の回りの問題に対処する方法を、5つのステップで絞り込んでいく「ストレス・コーピング実技編」をお届けします。
■ Aさんのその後
(A) 上司の言うとおりだと思い、がんばった場合
結果: Aさんは、さらにがんばってみましたが、やはりよい結果は得られません。それどころか過労がたたってついに体調を崩してしまいました。
解説: 新しい状況に移ったり、慣れない仕事にとりかかったりするときは、難しい目標に向かってガムシャラにがんばるのではなく、状況をよく観察し、周囲のサポートを得ながら、長い目で対処していきましょう。
(B) 営業成績のいい先輩に相談してみた場合
結果: 先輩の「自分も3年目はなかなか結果が出ずに焦った」という話を聞いて、Aさんはふっと肩の力が抜けるのを感じました。そして、自分の仕事の進め方について落ち着いて考えられるようになりました。
解説: 先輩の話を聞くことによって、自分だけが苦しい状況にあるのではないとわかり安心しました。周囲にサポートを求めることで、視野を広げ、適切なアドバイスや励ましを受けられます。
(C) これまでの仕事のやり方を振り返ってみた場合
結果: 現在の能力で達成可能な目標を、新しく設定しなおしました。これまでのプレッシャーが楽になり、仕事の進め方について冷静に考えられるようになりました。
解説: 過大な目標を設定すると、できなかったことに目を向けやすくなり、焦りやいらだち、自信の喪失につながります。達成可能な目標を立て、ひとつひとつクリアしていくことによって、達成感と自信を高めることができます。
(D) 自分には能力がないとあきらめた場合
結果: Aさんは仕事に向かう気力が次第に落ちてきました。そして会社にいくのがおっくうになってきました。
解説: Aさんは、仕事の結果が出ない理由を自分に能力がないからだと考えていましたが、本当にそうでしょうか。仕事のやり方が適切ではなかったかもしれない、結果が出ない状況はずっと続くのではなく一時的なものかもしれない、と考えることで、気分が楽になることもあります。
参考文献
「じょうずなストレス対処のためのトレーニングブック」(島津明人 著、法研)
この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。
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このサイトの内容は私の個人的な見解であり、私の所属するいかなる団体や組織の見解を反映しているものではありません。
2005年10月14日 12時34分 #
Aが多いんだよね…
Bにたどり着いたら、その先輩がまたAになったりする罠…
Cをする精神的余裕が無いし…って時は…
最近、この手のメンヘル系の話があちこちで話題になっています。
つぶれる人が多くなって、メンテナンスの為の会社の負担が予想以上になり、やっと会社が追いついてきたと言った感じでしょうか?
つぶれない為の解決方法は、
すぐそばに、直接上司以外に管理する人(ex:産業医殿)がいて、仕事系列外で即時STOPする権限を持つ必要があると思うのですよ…
なかなかそこまでの環境が整っている会社は無いように思います。
ただ、仕事一身の人は面談する時に「STOPして下さい!」って言われない程度に気遣って相談するだろうし…
最近、色々導入されてきているけど、仕事上の問題を知らない外部の人と、仕事内容を交えないで相談する機会が無ければ、閾値を超えるまでいってしまうだろうなぁーって思えます。
Dの結果、病気になりさえしなければそれもまた人生かな?なんて思っている時点で負け組でしょうか?(w
2005年10月14日 19時39分 #
こんにちはー。
この{A)〜(D)の例はそれぞれ極端ですけど、うなぎ(っで誰だ←知ってるけど)さんの言うとおり、早めに「自分の異変」に気が付いて、誰かに相談することってのが、けっこう大事だったりします。
それが上司だったり、同僚だったり、家族だったり、友人だったり、会社の産業医だったり、近所のかかりつけ医だったり、会社の契約している相談窓口だったりしても、何でもいいと思うんですよね。
(D)の道を選んだとしても、それで気分が楽になれば、それもまたOKだという意見には、とても同感です。
2005年10月18日 10時19分 #
>それが上司だったり、同僚だったり、家族だったり、友人だったり、
>会社の産業医だったり、近所のかかりつけ医だったり、
>会社の契約している相談窓口だったりしても、何でもいいと思うんですよね。
愚痴を言える友人が隣にいることがすごく大事だったなぁーと痛感しています。
仕事をやりながらでも、隣のヤツと「やってらんないよねー!」って言える事が大事
でした。
それを言えない恐怖政治があったり…
言う友達が、環境の変化でたまたま回りにいなかったり…
とりあえず(D)は回避の方向で...(w