話題の毒出し健康法「デトックス」のウソ! ホント?

話題の毒出し健康法《デトックス》とは、食物中に含まれる微量な有害物質を体外に排出することで健康になろうという健康法。毒素の排出には便秘の予防が効果的だ。デトックス向きの食品とは? 便秘と宿便の関係は? 古くて新しいデトックスの極意とは!?
 

デトックスって、《毒素》って、何?

「デトックス」という言葉をご存じでしょうか。ダイエット、美肌、アンチエイジングにも効果があると話題の健康法で、「毒出し健康法」や「解毒健康法」などとも呼ばれています。

デトックスのいう《毒素》とは、カドミウム、水銀、鉛、ヒ素など、食物中に微量に含まれる有害物質のことです。これらの《毒素》を体の中から追い出して、より健康的な生活を送ろうというのが、デトックスの考え方です。

カドミウム、水銀などは、イタイイタイ病や水俣病などの原因物質ですから、大量に摂取すると重い中毒症状があらわれます。しかし、《毒素》が「微量に」蓄積したときの人体への影響については、あまりよくわかっていません。

デトックスの食事

デトックスの食事の基本は、《毒素》の摂取を減らすことと、《毒素》の排泄を増やすことです。特に《毒素》の75%は大便から、25%は尿から排泄されることから、便秘の解消が重要なポイントになります。

そのため《毒素》の排出を助ける成分が含まれる「たまねぎ、ニラ、ネギ、ほうれんそう」や、体内の解毒作用を活発にするといわれる「トマト、イワシ、レバー」、食物繊維が豊富な「大豆、昆布、こんにゃく」などがデトックス向きの食材として挙げられています。

また、残留農薬や有害物質などを除去するために、よく水洗いをする、脂身や内臓を取り除くなど、下ごしらえにも工夫します。食事のときのお茶などの他に、1日に1.5リットル程度の水分をとることも勧められています。

便秘と宿便の関係

ところで、便秘というと気になるのが「宿便」という言葉ではないでしょうか。よく「宿便とは、大腸の壁にこびりついていて、特別な処置をしないと取れない便のようなもの」だと思っている人を見かけますが、それはまったくの勘違いです。

小腸や大腸に入ってきた食べ物は消化吸収された後、すべて便となって出て行きます。排泄されずにいつまでも腸の中に残っているものはありません。もし「宿便のようなもの」があるとすれば、それは便秘のときに腸内にとどまっている大便のことでしょうか。しかし排便があれば、その便も出て行きます。

その他のデトックス法

デトックスでは、体内の微量な《毒素》を排泄するだけではなく、心身をリラックスさせることも健康につながると考えられています。そのため、ストレッチやマッサージ、半身浴なども積極的に取り入れられています。

デトックスの本場アメリカでは、さまざまに調合されたハーブティーが人気を集めているそうです。また、解毒効果をうたったサプリメントや健康食品のたぐいも多く販売されています。デトックス人気にあやかった便乗商売や、マスコミのあおり文句には注意が必要だと思います。

結局「デトックス」って何なの?

最近話題のデトックスですが、《毒素》といわれる微量の物質が本当に病気を起こすのか、デトックスの食事でそれが減少するのか、その結果、病気が予防できるのか、いろいろ調べてみても、結局わからずじまいでした。

しかし、水分を多くとって、野菜をたくさん食べて、便秘を予防して、適度な運動をして、リラックスするという方法そのものは、いわゆる「健康的な生活」のことです。最新の健康法「デトックス」について調べているうちに、「健康的な食事と生活習慣が健康につながる」という、とても古典的な方法に行き当たったことは、ちょっと意外でした。

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。

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