分かりやすくしようと努力しないと分かりやすくならない

昨日の話の続きですが、分かりやすい、分かりにくいの例として、こんな体験もありました。
 

■ ひとつだけチェックしてください

社内で行う健康調査のために、イントラネットを使ったWEB アンケートを開発してもらいました。先日、お披露目が行われたのですが、会議室のスクリーンにはこんな画面が表示されました。

説明担当者は、チェックボックスをいくつもクリックして、最後に「送信」ボタンを押しました。

すると、警告音とともに、このようなメッセージが表示されたのです。担当者は顔色ひとつ変えず「複数の項目をチェックした場合は、このようなエラーメッセージが表示されます」と、何くわぬ顔でデモを続けています。

■ あれ? この画面、変じゃないか?

僕はこの説明をうけて「あれ? この画面、変じゃないか!?」と思ったのです。確かに、画面には「ひとつだけチェックしてください」と書かれています。しかし、よほど注意深い人でない限り、初めてこのアンケートに参加する人 (つまり社員全員) は、エラーメッセージのお叱りを受けることになりそうです。

(1)「ひとつだけ」なのに複数選択できる

ソフトウェアの部品には、複数の項目を選べる「チェックボックス」と、ひとつしか項目を選べない「ラジオボタン」があります。この画面ではラジオボタンを使うべきです。そうすれば、エラーメッセージを用意する必要もありません。

(2) 説明が多すぎる

ひとつは、説明の文章が多すぎることです。この画面でもっとも伝えなければいけないのは「項目をひとつだけ選択してほしい」ということですが、いろいろ書いているうちに目立たなくなってしまいました。

■ ちょっと気をつければ改善できる

これなら説明も分かりやすく、ラジオボタンを使っているので複数の項目を選んでしまうこともありません。選択肢の内容をもっと整理すれば、さらに回答しやすくなるでしょう。

■ 分かりやすくしようと努力しないと分かりやすくならない

お披露目会のしょっぱなからこれですから、あとは想像通り、分かりにくい説明、分かりにくい画面、標準的でない操作方法のオンパレード。「分かりやすさに対する配慮」がまったく不足したシステムでした。このソフトを作るために、半年の期間と、200 万円を超える費用がかかったと聞いて、愕然としてしまいました。

このサイトの内容は私の個人的な見解であり、私の所属するいかなる団体や組織の見解を反映しているものではありません。

コメント数: 3

  1. SD :

    実務と違うシステムを作っている人間のスキルが足りていないだけという話もある….w
    会社としては、できるやつは、1時間でも多く実務の作業をやらせているのですよ。
    まあ、世の中に出ているシステムは、Human I/Fを考慮されていることを期待します。

    実務がいっぱいなのに、実務以外も降ってきている状況って..?

  2. Lupin :

    半年の期間と200万円を越える費用ってことは、もしかすると外注したのかもね。
    以前の会社でも社内システムを外注したことありましたけど、だいたいそういう人たちって実際に社内でどう使ってるかなんて考慮しないで仕様書だけで作成しますし、仕様書作るのが総務とかだとそういう細かいところまで指定できない場合が多いと。
    で、出来上がってから、社内のシステム部門に「これを社内で使えるようにしてくれ。ついでに評価もしてくれ」なんて依頼が来るんだけど、その時点ですでに納品されちゃってるので変更はできない、と。

    最初からシステム部門を巻き込んでやればいいのに。っていうか、半年の開発期間と開発費用を俺によこしたら、もっと素晴らしいもんを作ったるわ! と何度思ったことか(笑)。

    #会社辞めたんで、もうそういう心配しなくいいんだ。らっきー(笑)。

  3. e-doc. :

    言ってしまえば「スキル不足」の一言で片づけられるのかも ^^;。

    「こういうステキなテーブルを作ってくれ!」と、素人が設計図を書いて大工さんに渡したら、脚がグラグラでガタガタのテーブルが出来上がってきて、文句を言ったら「設計図通りです」とか言われる。

    仮にも大工で飯を食っておきながら、日曜大工並みの仕事しかできないなんて、どういうこと? 大工のプライドはドコにっ!?

    …そんなガタガタのテーブルでお昼を食べる社員が気の毒です(笑)。

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