乳がん検診の有効性評価

『乳がん、検診で見落とされ…千葉の女性「余命半年」』 (asahi.com)
『乳がん検診制度 見直して』 (asahi.com)

30 歳の出産時に乳房のしこりを自覚したが乳腺症といわれ、35 歳の乳がん検診で超音波検査を受けて「脂肪のかたまり」と診断され、ところが痛みが増したため 37 歳の時に精密検査を受けて乳がんと判明、手術を受けて 2 年後の今年、肝臓への転移がみつかり、39 歳の若さにして余命は半年と宣告された……という不幸な症例についてのニュースです。この女性は市や県の保健担当者、果ては厚生労働省にまで出向いて、乳がん検診の見直しについて訴えているそうです。
 
乳がんについては国立がんセンターの「乳がんのページ」に詳しく解説されていますが、食生活の変化や結婚・出産年齢の高齢化などの影響で増加している病気です。早くに見つかれば、乳房を残して腫瘍のみを摘出する手術で治癒することができ、自己検診や乳がん検診がとても重要です。

現在、乳がん検診の他にもさまざまながん検診が行われています。その有効性については古くから議論が続いていて、本当に死亡率が減少するのか、医療費全体の節約につながるのかなど、いろいろな研究・調査が行われています。

わが国でも 2001 年に報告書がまとめられ、死亡率の減少に与える影響について「がん検診が有効であるという証拠がある」、「データ不足のため保留。引き続き調査が必要」、「無効であるという証拠がある」という判断が下されました。概要については「がん検診の有効性評価」 (国立がんセンター) を参照していただくとして、乳がん検診については「視診と触診のみ」の検診は無効、「視触診 + 超音波検査」は保留、唯一「視触診 + マンモグラフィ (乳房レントゲン検査)」のみが有効という結果になりました。

この報告を受け、現在では「視触診 + マンモグラフィ」による乳がん検診が当たり前になっています。健康の秘訣は、まず病気にならないようにする「予防」と、検診などによる「早期発見・早期治療」ですが、その検診が本当に有効なのかどうか、考えてみることも必要です。

関連する記事

このサイトの内容は私の個人的な見解であり、私の所属するいかなる団体や組織の見解を反映しているものではありません。

コメント数: 1

  1. Takkada :

    私も胸のしこりが気になった事が。
    今思えば、その頃は成長期だったからなのかしら…?